第5話「強打者・近藤!の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


グラウンドで守備練習を行う部員たち。
ノッカーの近藤はどんどん激しい打球を放つ。
通常はここまで激しい打球は打たないが、これは激しい打球を捕る練習らしい。
それが終わると今度はピッチング練習。
近藤、田中、JOYと並んで投げ込む中、変化球をバンバン決めるJOYの器用さに驚きつつも、
(ちょっと器用にまとまりすぎなんやないのか?)
と、これで本当にいいのか考える。
だが、春の選抜ではこのスタイルで通用した事に加え、先日の練習中に近藤が投手陣に
「1年のうちは変化球なんて投げんとストレートをもっと磨け~~い」
と言った事を知った上で、JOYは
『おれは他の奴とは違う』
と思っているのだと考える近藤。
例外は作りたくないものの、近藤にはJOYに強く言えない弱みがあった。
それは選抜での富戸中戦で近藤が退場させられたあと、1年生のJOYがマウンドを守った経緯があったからだった。

それでもキャプテンとして言わずにはいられない近藤はJOYに声をかけるが、そのつぶらな瞳で見られた近藤は、
(やっぱコイツには強く言えん)
(いや、でもそーゆーこっちゃアカンのや。言わんと……)

と、それ以上の言葉を続ける事ができない。
一方のJOYは近藤が何を言いたいのか察し、
「ス、ストレートだけにした方がいいですか?」
と自ら切り出す。
まさかの先制攻撃に驚いた近藤はすっかり動揺してしまい、わからない事があったらなんでも聞きなさいとだけ言ってその場を後にしてしまう。
そこまで計算したのかはわからないが、去って行く近藤を見送ったJOYは
(おれは……自分のやり方を誰にも邪魔されたくない!)
と、練習を再開するのだった。

続くシートバッティングでは近藤とJOYがピッチャーを担当。
守備を付けた真剣勝負の練習と言う近藤は強いタマで行くがストレートしか投げないと宣言。
そして続くJOYにもストレートだけを投げるよう指示。
牧野の話ではJOYのストレートも入学時より格段にスピードアップしているという。
しかし、ストレートだけと言ってもある程度力を入れて投げられたら簡単に打てない近藤の球とは違い、JOYの球はどんどん外野の頭を越されてゆく。
(ちくしょ。変化球も駆使したらこんなにバットに当てさせないのに)
表情こそ変わらないものの内心悔しがるJOY。
バッターボックスには近藤が入る。
(ったくな~~)
(ちょっと実力のある若い者に上から言葉で押し付けて…ヘソでも曲げられたらかなわん)

などと悩みながら入った近藤だが、言葉でダメなら実力行使だと閃く。
かつて新入生だった自分が入部初日、当時キャプテンだった丸井からバットで殴られた事を思い出しながら。
もっとも今はブッ叩くわけにはいかないので、ここは本当の真剣勝負を仕掛けようと決断。
JOYに変化球も混ぜて投げてみなさいと指示を出す。
(ふ~ん。ちょうどいいや)
(おれが変化球を混ぜたらいかに近藤さんでも打てないか見せてやる)

余裕のJOYと、
(ここは最大限の集中力(コンセントレーション)や!)
気合いを入れる近藤。

JOYの変化球はフォームでわかるという近藤は初球のカーブを的中させ、フェンス直撃の大飛球を放つ。
「よし! どんどん来い!」
近藤の指示に次々投げ込むJOYだが、フォームで何を投げるかわかる近藤は、JOYのシュート、ドロップ、ストレートと全て打ち返す。
(じゃあ……これはどうだ!?)
とっておきとばかりにJOYが投げたフォークだが、フォーム以前に握りがはっきり見えていた事もあってフェンスを越される始末。
その後も近藤にメッタ打ちにされたJOYは、近藤の練習が終わった時点で息を切らせながらマウンドに片膝をついてしまう。
(強打者近藤さんの前では……おれが変化球を駆使して真剣勝負しても歯が立たない)
近藤も集中力を上げたおかげですっかり疲れ果ててはいたが、
「どや! JOY!」
「変化球の練習なんかしてるから肝心のストレートの威力が落ちて撃たれてまうんや!」
「これからはもっとストレートのキレを磨く練習をせえ~い!」

と、思いっきり怒鳴りつけてやりたいと思いつつも、口に出して言ってしまうと若者の反感を買ってしまうことを恐れてあくまで無言を通す。
(昔は有無を言わさず先輩からバットでブッ叩かれたもんよ)
(そー言えばそろそろあの人現れそうだな)

再び丸井に殴られた時を思い出す近藤。
口に出してJOYを指摘する事はできなかったものの、この練習で自分の実力がまだまだであると悟ったJOYは考え方を改めようと反省するのだった。

ここで第5話が終了となります。

感想

実力があるがゆえに周囲の忠告よりも自分のやり方にこだわるJOYと、かつて自分も同じように我を通そうとして丸井に殴られた経験を度々思い出しながら、このままではJOYのためにもならないと心配する近藤。
以前の近藤だったらいくら選抜での借りがあるとは言え、ハッキリ言葉に出して言いそうな気もしますが、
(ヘソを曲げられたらかなわん)
と、どこか1年生当時の自分と照らし合わせて思う部分があるのか、悩んだ末にバットで見事わからせることに成功。
今回の近藤の悩む姿はどこか近藤自身の成長も見えた気がしました。

次回からは近藤たち3年生にとって最後の大会がスタート。
(そろそろあの人現れそうだな)
という近藤の予想通り、やっぱりあの人が今回の大会も応援に来そうですねw

関連リンク

・第1話「レガシーを作れ!の巻」
・第2話「コンセントレーションの巻」
・第3話「丁寧か?雑か?の巻」
・第4話「親父と息子の巻」
・第5話「強打者・近藤!の巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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4 Thoughts on “「キャプテン2」第5話感想

  1. 名無しのジャンプ読者 on 2020年3月24日 at 5:45 PM said:

    近藤は、「お前が言うな」的な部分が無いところがいいですね
    本来のJOYはのエピソードとしては
    サウスポーを隠して近藤含めて驚かせたイタズラ心
    強豪に希望して来たのに初日からの鬼対応にヘソまげてあっさり退部
    (そのあとひょっこり再入部)
    もちろんマイペース・心臓が強いなどあります
    欲を言えばもう少しイガラシJrの出番が欲しいところですが
    動かしづらいのかなあ・・・
    ともあれ毎回楽しみです

    • コメントありがとうございます!

      そういえばJOYって最初入部しようとしてやめたんでしたねw
      入部後からここまでのエピソードなんかも彼のしたたかさというか強心臓っぷりが伺えます。

      慎二はもっと見てみたいなぁと思いますね~。
      入部した時から守備やバッティングテストでその才能は見せていただけに、もっと活躍して欲しいなぁと思います。

  2. 今までjoyの性格は謎でしたがなるほどなと思いました。joyの球は速いけど軽いんですよね。いわゆるキレで勝負するタイプというか、イガラシに似た投手でしょうか。しかし、近藤という一流の投手が身近にいるのは大いにプラスですよね。これからのjoyの成長が楽しみです。
    次は丸井が登場ですね。
    丸井も東東京予選で忙しいはずですが(笑)。そろそろプレイボール2とキャプテン2がリンクしそうですね。田所さんもスカウトに動くはずなので、キャプテン2に登場するかも。相木と今野もいますしね。

    • JOYって表情からなんとなく穏やかな印象を抱いていたけどこういう性格だったんですねw
      確かにイガラシタイプの投手かなぁ。

      そうそう、丸井も今は忙しいんでしょうけどそれでも時間を作って駆けつけるんでしょうね~w
      やっぱり近藤も墨高に進学するのかな?

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