PCエンジンスーパーCD-ROM2で発売された「風の伝説ザナドゥ」完結編。
大容量は内容に活かされたのだろうか?

ゲーム内容

●ストーリー
未開大陸へ交易のために向かったリュコスが消息不明となる。
アリオスとダイモスはその捜索に乗り出し、リュコスが乗っていた船が遭難しているのを発見。
だが人の姿はなく、リュコスの日記で魔物に襲われた事を知る。
そして、その後アリオス達の船は嵐に遭い、アリオスは船から投げ出されてしまう。
アリオスが漂流したのは偶然にもリュコスの足取りが掴める島だった。

たしかこんな感じだったと思う。
ちなみに本作でリュコスは相当おいしい役どころ。
正直リュコスが主人公で良かったんじゃないかと。

●ゲーム内容
前作同様に見下ろし視点の体当たり戦闘で進行。
ボス戦のみ横視点へ変わるのも前作同様だが、ボスまでの道のりだったアクションステージは廃止された。
グラフィックが大きな進化を遂げているが、ゲーム要素部分では前作から削られた部分が多い。

登場キャラクター
主人公は前作同様にアリオス。
そして、ダイモス、リュコス、ピュラーなど、前作に登場したキャラクターがメインとなり、そこに本作の新キャラである黒い鎧の騎士ランディスが加わる。

仲間となるキャラはこの4人だったと記憶している(一時的にPTに加わるキャラはいたかもしれないが)。
前作に登場したソフィア、メディア、ヌースといったキャラは仲間にならない。
仲間になるキャラクターの数は前作より減っている。

独自の成長システムはそのまま
成長要素は前作同様、アリオスがダメージを受けると次の回復で最大HPが増加。
武器防具は使い込めば使い込むだけ強化されるというシステムは前作と同じ。

HPに関しては最大HPが上がるアイテムがわりと頻繁に出現するため前作より上がりやすい印象。
終章まで進めばこのアイテムがお金で購入できてしまうのはどうかと
(ただ終章に進む頃にはHPが最大値になっている事もあるので大きな意味はないが)。

前作から廃止された要素
まず大きいのは時間の概念が廃止。
前作では時間によってNPCがそれぞれの行動をとっていたものが本作では一切なくなった。
フラグ立てに走る際にこの時間が邪魔をしていた部分もあるのでラクにはなったが、NPC達が自分の生活をしている光景が見られなくなったのはちょっと残念な気も。

そして前作にあったボス前のアクションステージ削除。
これについては賛否両論ありそう。
まぁ私はあってもなくてもどっちでもって印象。

あとは前作ではHPが0になると幽体となって復活するには教会まで飛んで行く必要があったが、今作では死んだ時点で宿屋へ強制送還される。

たらい回しは大幅に減少
前作のプレイ時間の大半を費やした見事なまでのたらい回しは本作では見られない。
まぁあれは正直苦痛でしかなかったのでなくして正解。

●グラフィックが大幅にパワーアップ
キャラグラフィックは前作より大きく描かれ、背景グラフィックもPCEソフトの中ではトップクラスの美しさ。
また、キャラクターが状況に応じて笑ったり驚いたり首を振ったりと、細かいアクションを行うようになっている。

●本編より熱いボスタイムアタックモード
本編クリア後に選択できるモード。
本編に登場したボスと連続して戦うことが可能。

当時はクリア後、このモードを相当やり込んだ覚えがある。
本編の記憶はほとんど残っていなかったがボスの順番だけは覚えていたくらい。

●音楽
サウンドは前作同様にゲームの大半を内蔵音源で演奏。
ビジュアルシーンや一部ボス戦などではCD-ROMを活かした生演奏もある。

個人的には前作の方が好きな曲が多かった。
もちろん今作にも良い曲は揃っているので好みによるだろうが。

感想

前作からグラフィックを大幅に進化させ、色々と削り落としてみましたという内容。
特にあの膨大なたらい回しがなくなった(減った)のは嬉しいかぎり。
ただ、全体的にまとまった内容にはなったものの、無難になりすぎたかなという感じがしないでもない。
例えば時間の概念などは前作よりももっとアイディアを練り込んで欲しかった気がする。
また、今作からの新要素がほとんど見当たらないのも寂しい。

どちらかと言えば私はあらゆる面で前作の方が印象深い。
「グラフィックは良くなったけど内容は……」
というのが今作に対する感想。
一応「風の伝説ザナドゥ」シリーズ完結編ということで、もっと前作の要素を進化させて欲しかった。
ドラスレシリーズ生みの親であり前作を指揮した木屋善夫氏が関わっていない点も大きかったか。

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