第96話「部長の功績？の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
大山高校との試合は5回裏、墨谷が2対2の同点に追いついてなおも2アウト3塁のチャンス。
打席には5番松川。
「おれ……今打たれてる……」
マウンド上で動揺を隠せない成田にベンチから倉部監督が檄を飛ばす。
一方打席の松川が
（この連打……みんな目が慣れてきたのか？）
と思ってる中での初球。
内角へのボール球。
驚いて避けたものの、
（たしかに……目は慣れたのかも…）
と感じると共に
（それに成田。ちょっとビビり始めてないか？）
と考える。
どのコースにどの球が来ようが、ただ来たタマを打つと決めての2球目。
打ち返した打球はファースト右を抜ける長打コース。
3塁ランナーイガラシが還って3点目。
ようやくライト長内がようやく捕球するが、打った松川は3塁に到達。
「ああああ……」
長打3本でついに勝ち越しまで許した大山倉部監督が唸る。
ここでキャッチャー奥田がタイムを取ってマウンドへ。
単調になりすぎたのでここからは変化球を多く使おうと話し、成田にも落ち着くようなだめる。
帰り際にロージンつけるよう指示するも、そんな奥田自身も
（これは果たして止まるのか？）
と弱気。
打席には6番加藤。
奥田が外野を下げる。
初球。
カーブを打ってファール。
2球目。
逃げていくシュートに対して加藤も
『ただ来たタマを打つ！』
（――けどボールを追いかけはしない！）
と、しっかりボールを見つつ打ち返す。
打球は後ろに下がっていたレフトの前に落ちるヒットとなり、3塁ランナー松川が還って4点目。
（3まわりめで成田のボールに完全に目が慣れた。成田本人もそれがわかってビビってる）
そう判断した倉部監督はピッチャー交代を告げる。
大山二番手は三村。
成田と同じ右投げで、その投球練習を見つめる墨谷ナインからも
「なんか成田と似たタイプだと思わない？」
との声があがる。
「ピッチャーが変わっても関係ない。ただ来たタマを打つ！」
そう指示を出す谷口に部長はなおも不安げな様子。
打席には7番久保。
（絶対止めてみせる）
と緊張した面持ちの三村。
初球は久保が手を出さず外角へのストライク。
初球入った事に少し安心した様子の三村。
そしてあらためて成田と同じタイプだと感じた久保。
（同じタイミングで振れば当たる）
そう考えての2球目を打ち返す。
打球はセンターオーバーの大きな当たり。
フェンス直撃の2塁打となって5対2。
「あんなでかいのを打たれた」
落ち着きかけていた三村は落胆を隠せない。
「目が慣れてきたと言うか…ウチのみんな……甲子園に慣れてきたのかな？」
「そして……好きなことをしてきただけ――の結果が出てきた」
と話す谷口。
部長がナインに伝えた
「甲子園はご褒美。勝とうが負けようが関係ない。ここからは楽しいことだけをして行こう」
という方針での練習の効果が、今最高にいい形で出てきているという。
しかし部長はここの2～3週間打ちまくっただけで結果に直結したとは考えにくいとは言い、今まで選手達が鍛錬を怠らなかった事と、この春から谷口がこのチームを丹念に作り上げてきたからだと言う。
谷口と部長が話している間に8番島田もレフト前へのヒットを放つ。
「実は僕。甲子園に来ることの実感がイマイチ持てなかったんですが……なんかやっぱり甲子園って面白いですねぇ……」
結局この回墨谷は8得点し8対2とした。
時刻は午後6時。
証明に灯が入る。
「5回終了時点で6時をまわった。この試合も長いですな」
そう口にする甲子園係員たち。
そして試合時間を気にする審判。
「ヤバイ。第4試合の恐怖がさらに発動される……」
動揺する倉部監督。
ここで第96話が終了となります。
多くの方の予想通り、墨谷が5回裏大量得点。
大山は二番手三村も打たれ、倉部監督の様子からはこれ以上の策もない様子なので、ほぼ決まったかなという感じでしょうか。
前回ラストからもしまだ何かあるとするなら、大山二番手投手にとんでもないクセモノでも出て来る……みたいな可能性も考えていたのですが。
次回、
大山高校、倉部監督の不安は的中する…？
『ハリーアップ』の巻
やっぱりこのまま次回で墨谷勝利かな。
・第92話「第4試合で良かったの巻」
・第93話「3度めの対決の巻」
・第94話「上級生のプレッシャーを背負ってくれたの巻」
・第95話「目が慣れる頃の巻」
・第96話「部長の功績？の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
・キャプテン2（13）
・キャプテン（1）
・プレイボール2（1）
・プレイボール（1）
キャプテン（墨ニ）時代に対戦していた選手が佐野以外いませね。北戸、和合，港南などにいた選手はこれから出できて欲しい
やっぱり過去墨二時代に対戦した選手があの学校に！ って形で再登場の流れは見てみたいですよね～。
またもや途中での大量リード、そして楽勝ムードからの墨谷の判断？ミスによってナイターになってから同点、もしくは逆転されるパターンなんでしょうね。
まぎれもなく東・東京大会のシード校として甲子園の出場校なんですから、まるで予選１回戦か２回戦で負ける常連校みたいなこと、つまり交代したライトの選手が緊張してミスをするとか、交代したキャッチャーが経験不足を露呈するとか、もうそういうキャラやチームのブレブレ感は勘弁して欲しいですねｗ
何となくドカベンの対ブルートレイン学園のようにナイター慣れした？大山高校の反撃とか、マンガとしてじゃなくて、リアルな高校野球としてキャプテンを描いていただけると有り難いですけどね。
ナイターによって両チームにどう影響出るか気になりますね～。
今の墨谷なら多少の事では動じなさそうだから、大山側がさらに動揺する形で一気に勝負つくのかなとも思いますがどうだろうなぁ……。
コメントを見ていると普通にみんな忘れていると思うんですけれど
甲子園常連校である谷原・川北をコールド勝ちしたチームなんですから
この程度は何とも思いませんね
すでに次の対戦相手に期待しています
そういえばそうなんですねぇ。
甲子園常連校を圧倒できる実力が今の墨谷にはあるんですよね。
まだ試合終わってないけど、すでに次の対戦相手すごく気になってます！
この試合、何だかイガラシキャプテン時代の全国大会の初戦の対白新中戦のような匂いを感じています。
大量得点で初戦を飾り、3回戦くらいまではトントン拍子に行くかもしれませんが、
この作者は捻るのが大好きなようなので、この大山戦だけでも、もうひと波乱くらいあるかも知れないですね。
ちょっと余談になりますが、このＮo.22特大号の巻末のグラビアの豊島心桜さんのプロフィール。
彼女の生年月日が2023年9月25日となっています。
わずか1歳にして、恐ろしい程のトンデモ発育ですよね(笑)
倉部監督の焦り具合からナイター突入が好ましくない状況に見えますが、墨谷にとってもそこがどう影響出るのか気になりますね～。
このまま決着つくのか。
それとも大山が粘りを見せるのか……。
巻末グラビアの豊島心桜さんのプロフィール。
コメント見て私も確認してみたら2023年9月25日生まれになっていましたｗ
相手の監督はナイターになることを嫌がってそうに見えますがここから一波乱起きるのでしょうか。そういえば墨谷はアニメではナイターを経験していましたね。しかし次の相手はどこになるんですかね。墨谷は他県にライバルがいないので、キャプテン時代に戦った川下や港南中のメンバーがいる高校と当たることになるのでしょうか。
このまま一気に終わるのか。
もうひと波乱あるのか。
なんとなくこのまま終わるのかな～という感じはしてるんですがどうですかね～。
この後の対戦校についてはまだ情報見えて来ないけど、かつて対戦した懐かしい相手が対戦校にいたりすると盛り上がりそうですよねぇ。
はじめまして。かれこれ50年前？連載当時からの読者です。いつも楽しみに拝見してます。
大山との試合にイラっとしてましたがようやく墨谷が圧倒しだした展開に、そりゃそうだろうと。いくら初出場とはいえ、あの当時高校の数だけみても東京と鳥取では失礼ながら明らかにレベルの差があったはずです。話を盛り上げる的にもある程度の苦戦が描かれるのはわかりますが、1回戦の大山にあまりに苦戦だと、この先どうなるんだ？と。
コメントありがとうございます！
サイン送りの件はあったけど、それでも終始冷静だった墨谷が優位な感じでしたねぇ。
谷口監督が珍しく迷いなかったのが大きいのかなぁ。
大山はナイター突入で急かされ落ち着いたプレーも出来ずズルズルと点を取られ敗北になりそうですね
次の対戦相手が気になる所ですが…そういえば浪国って出場してたかな
他校の情報がないので勝てば次どこなのかは気になりますね～。
浪国どうだったかな？
出場していればあの監督だから今度こそ目の色変えてぶつかって来そうｗ
とうとう肩の力が抜けて本来の墨谷の強さがでたのかな？まあいい当たりが好プレーに阻まれたりの不運もあったけどね。この試合は1979年の話だと思うけど、当時は投高打低の時代で、それだけに集中打での大量点は致命傷になりかねない展開でした。まあ今年の甲子園も低反発バットの影響で昔に近づいてきましたけど。
この1回戦の結果が今後の墨谷がどこまで勝ち進むかの目安でしょうね。この点差を追いつかれたりするようだと、例え勝っても優勝はないでしょう。ナイターは関係ないと思うけど、これで流れ変わるとかってあるの？
序盤から墨谷打線はいい当たりは連発していたんですよね。
成田にとっては得点こそ許さなかったけど精神的なダメージは蓄積されていた感じかなぁ。
なんとなく今の墨谷の勢いは止まらなさそうだし一気にこのまま勝ちそうな気もしますが……。
いつも楽しみにしています。
墨谷打線爆発しました。気持ちいいですね。
でも、第4試合の恐怖の発動ってなんでしょうか？
ナイター照明は電気代が高いのでゲームの進行を急かされて攻守が乱れることでしょうか、だから次回は「ハリーアップ」？
ありがとうございます！
谷口の読み通り打線爆発しましたね～。
ナイター突入による倉部監督の慌てよう見てると、少なくとも大山側にとっても致命傷になるような何かがあるって事ですかねぇ。
このままあっさり決着つくかなと思ったけどもう波乱あるのかなぁ。
二番手三村が成田と同じタイプだったのが、結果として大誤算。もっともその可能性に倉部監督が気付いてないはずはない。他に頼れる投手がいなかったのでしょう。
そして試合はナイター突入。それで気になるのが、墨谷はナイターで試合をしたことも、ナイター練習をしたことも、無さそうなこと。
もう一つ、ナイターだと投手の球が速く見えること。
大山の選手層はあまり厚くない感じでしょうかねぇ。
三村ももう出て来た時から気圧されていた感じでしたし……。
確かにナイター練習してないとすれば墨谷にとってこれまでとボールの感覚異なるから怖そう。
でも倉部監督の様子だと大山側もナイター経験はないのかな？
選手層の問題ではないのでは？
そもそも、甲子園で通用するようなピッチャーなんて、どんな強豪チームでも、多くて３人です。
甲子園は、そんなに甘くない。
なるほど……。