第29話「監督に意見する2年坊の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
城東との練習試合。
7回表から近藤と井口のバッテリーが登場するも1点を取られて6対6の同点に追いつかれる。
高校野球初登板の近藤とキャッチャー初実戦の井口が苦しむ様子を見ていたイガラシは、タイムをとって谷口監督の元へ行き、
「監督。あんな急造捕手とルーキーピッチャーコンビじゃ試合のカッコがつきません。おれが投げます」
と自らの登板を申し出る。
谷口は明日の変則ダブルヘッダーの第1試合先発がイガラシの予定だと言うが、
「ここから9回まで投げても影響ありませんよ」
とイガラシも引き下がらない。
「あのふたり……オマエの目から見てダメか?」
と尋ねる谷口に
「ダメですね。あのふたりが組むことはマズイです。両方ともまだシロートですから」
とバッサリ切り捨てるイガラシ。
どちらか1人がしっかりしていないとダメだとし、キャッチャーだけ第一捕手の萩原に代えてもいいと思いますけどと続ける。
その様子を見ていた丸井が
(ア、アイツ……! 谷口さんに意見してるな…!)
(こーゆーとこがクソ小僧だっつーんだよ!)
と怒りながらベンチへと駆け寄る。
丸井に気付いたイガラシは気まずい様子で、
「お、怒らないで下さいよ丸井さん。ちょっとあまりにも見てられなかったんで…」
と言い、谷口もまた
「いいんだ丸井。イガラシの言うことはもっともだ」
「ダメだったらまた松川にマウンドに戻ってもらおうと思っていたが…」
「イガラシが行けると言うのなら行ってもらおう」
と話し、ピッチャーイガラシ、キャッチャー萩原への交代と、ショートに那須が入ることを審判に告げる。
「バッテリーごと交代か…」
「しーません」
ガックシ肩を落としてベンチへと戻る近藤と井口。
そんな2人に谷口は反省会はあとだとし、2人に横のグラウンドを走るよう(井口は防具をつけたままだと)指示する。
その様子を見ていた城東ベンチの小倉監督と松下。
「期待のルーキー。ものすごく早く見切りをつけたね」
「完璧守護のイガラシからしたらたえられなかったのかな…?」
と、小倉監督は予想外の交代に少し驚いた様子だが、
(しかしイガラシは高校生になっても変わらないね~~)
と、松下はその姿を懐かしんでいた。
2アウト3塁で試合再開。
初球、外角カーブでストライクを要求する萩原。
打者はヒットにできると流し打ちするがショート正面のゴロとなって3アウトチェンジ。
あっさり1球で終わった様子をランニングしながら見ていた井口と近藤は、イガラシに代わった途端にあっという間に終わった事にさすがと漏らし、さらに井口は
「萩原正捕手もひょうひょうとした顔しちゃいるが、ピッチャーのことわかってるんだ」
と、自分とは違うことを痛感した様子。
7回裏墨谷の攻撃は0点に終わり8回表。
6番・7番と初球から打ちに行ってあっさり2アウト。
イガラシに代わって、ここまで3球で3つのアウトをとられたことに焦った小倉監督は次の8番打者を呼び寄せ、初球だけは何がなんでも見逃せと指示。
初球カーブ。
打者は打てそうな感じをしながらも指示通りに見逃してストライク。
(うわッ! ホントに打ちごろのカーブだったよ)
と悔しそうな表情の打者。
小倉監督は
(まぁ仕方ない。追い込まれるとそれこそ厄介だから次からは好球必打)
とベンチからサインを送る。
2球目。
初球と同じようなカーブに今度は打ちに行くが、これもショートゴロとなって3アウトチェンジ。
いいように打ち取られた城東ベンチは
(イガラシに代わってたったの5球でフォーアウト!)
(いいように打たされていいように討ち取られる!)
(それも代わったばかりのショートに練習させるかのように打たせる!)
と、まさかの自体に驚きの声があがった。
簡単にアウトを取っていくイガラシの姿に近藤は
「ピッチングがうまいんや」
と漏らすが井口は、
「まぁ”年の功”もある。いくらイガラシだって1年の時からああうまく投げられなかった」
「近藤。おめぇももっと経験つーもんを積んで行かんとな」
と励ましつつ、自分も本当にキャッチャーとしてやっていくならもっと経験が必要だと感じていた。
試合は同点のまま9回表2アウト。
ようやくイガラシから初のランナーを出した城東は、勝ちにいくためにここでイチかバチかの盗塁サイン。
小倉監督はキャッチャー萩原は肩に弱点アリと聞いているらしい。
初球から走ったランナーはセカンドに楽勝のセーフ。
これで弱点が本当だと確信した小倉監督は続けて三盗のサイン。
これもセーフとなって2アウト3塁。
だがイガラシは落ち着いていた。
(はいはい。でもこれで追い込んだんで…)
ランナーが3塁に進んだことでふりかぶっての3球目は威力のあるストレート。
これを打者が空振りして3アウトチェンジ。
「打てそうなタマだがほんの少しだけタイミングをずらしてる。そして最後だけは力を入れて投げた」
とイガラシの投球を分析する井口。
イガラシの投球を見た松下は墨谷の投手陣の中で中心はやはりイガラシでありセンスが段違いだと感じる。
そして谷口は
(そしてやはり……ウチのチームの問題はキャッチャーなんだ!)
と感じていた。
ここで第29話が終了となります。
イガラシの要求通りに谷口があっさり近藤井口を交代させたのは予想外でした。
ここは育成目的でもうしばらく様子を見るかと思っていたのですが、谷口の目にも今の近藤と井口では話にならないと映ったのでしょうか。
今回は2人とも初実戦ということで残念な結果でしたがいい経験にはなったかな?
そして交代したイガラシのピッチングは1年生の頃よりも成長を感じさせますね。
ただ、簡単に三盗まで許した萩原が第一捕手というのはやはり心許ない気はします。
そういう意味でも近藤以上に井口の成長が重要になってくるのかなぁ。
次回はお花茶屋高校の遠征の様子が見られそうです。
あちらも気になりますね。
・第25話「練習と実戦は違うの巻」
・第26話「レベルアップした城東の巻」
・第27話「またまたやっとったなの巻」
・第28話「ボールが手につかないの巻」
・第29話「監督に意見する2年坊の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
イガラシの性格は、墨二の1~2年生の頃に戻った感がありますね。
リーダー(キャプテン)としての立場と、今のように、そうでない時の立場で、それぞれの人格を使い分けているとしたら、投球術ともども、それもまた凄いと思います。
やはり、倉橋の後釜のキャッチャーを育ててこなかったツケが出てきてますね。
井口や萩原もいいけど、牧野だって、せっかく入部したのだから、その時点から、ある程度鍛えておいても良かったのでは?
中学では正捕手(レフトからのコンバートだったけど)で、近藤の女房役で、しかも副キャプテン格だったんだし、まぁ、カッとなりやすいし、ちょっと性格的に難があるけど、決して侮れない存在だと思うのですが。
墨二キャプテン時代に抑え気味だった我が出ている感じはしますねw
墨高1年生時代には感じられなかった余裕も出て、チーム内での自分の立ち位置を見極めているなとも思いました。
キャッチャーに関してはやっぱり倉橋の穴が大きすぎますよねぇ。
倉橋がいた頃から萩原を育てて今の形なのかもしれませんけど、それなら確かに牧野も今のうちから育成した方がいい気はします。
改めて、味方側の歴代の捕手の凄さがわかりますね。
倉橋は言うまでもなく全てよし。
田所は下手したら中学の小山や小室以下のポテンシャルですが、投手のサポートは倉橋以上でしたね。打倒東実の谷口の考えを理解し、谷口が長くフォークを投げれるようにフォローもかなりしていました。
前の正捕手が倉橋っていうのはやっぱり大きいですよね~。
要となるポジションが育っていなかったのが今になって響いてきてる感じでしょうか。
キャッチャーとして躓いた井口に案外ここで田所さんが出てきて何かアドバイスするのかなと期待してしまいます。
自分が墨高に勧誘したとあって何かと井口の事を気にしていましたし。
すみません率直に谷口今更?って感じです。どう考えても倉橋の穴は大きいと思うし、去年キャプテンでみんなを見ていたから当の昔に今の丸井墨谷の弱点は捕手って分かりそうなものですがね。
この流れだと井口をキャッチャーにするのを力を入れるのかも?もちろんピッチャーとしても使えるので井口がピッチャーの時に萩原もしくはイガラシをキャッチャーってのもありだと思います。
谷口本人が倉橋にキャッチャーの極意を聞きに行くのかな?倉橋も受験勉強はあるけど谷口の手助けはしたいと思うから倉橋ノートとか作ってそれを井口が吸収しそうですね。
特に中学時代からその才能を認めていた倉橋の穴だけに谷口も気付いてはいたけどどうにもできなかったのかなぁ……。
それにしても簡単に盗塁を許してしまうほど肩が弱い萩原が第一捕手っていうのはきつすぎますよねぇ。
倉橋のアドバイスは欲しいとこですよね~。
キャッチャー経験のない谷口ではわからない部分も多いでしょうし。
もしくは出番がない田所さんがそろそろ登場して井口に何かしらのアドバイスをするかも?
今年もよろしくお願いします。
元々の性格もありますが、メンタル的な意味でもイガラシは倉橋の役割を担っていますね(だからあえて谷口を『監督』と呼んだのか)。
落ち込んでいる暇なんてないとばかりに分析する井口と近藤はこれからどんどん伸びそうですね
萩原と那須はどうしてプレイボール2で出なかったんでしょう?
こちらこそ今年もよろしくお願いいたします!
きつい一言を言えた倉橋がいなくなった分、イガラシがそのポジションに入った感じですかね~。
今の墨谷だと確かにイガラシが適任かも。
井口が思っていた以上に冷静に分析できているなぁと思いました。
苦いデビュー戦にはなったものの、近藤と井口にとっては短いながらも学ぶ部分も多かったような気がします。
特に那須は急に出てきた感じですねぇ。
無難に守備をこなしていたし、バッティングの方も見てみたいと思いました。
萩原は肩が弱点というのが痛いですね……。
倉橋もイガラシも物事に対してストイック(良く言えば真摯)で相手に考えさせることで成長や行動を促すタイプですからね
そのために似たもの同士の谷口とは気が合い補い合うことができましたが、山本世代や横井たち。イガラシは丸井たちとの衝突もありましたよね(最終的にはみんなチームを思ってのこととして受け入れてくれましたし、元々の人の良さもあって見捨てたりもできませんでした)
倉橋はあえていずれ谷口が監督から離れることを見据え、チームが自立するように協力はしないと思います(可愛く言うとツンデレです)
確かに倉橋もイガラシも最初はチームメイトとの衝突もありましたし、でもこの2人の考えってその時のチーム事情をズバリ突いていましたからねぇ。
倉橋なら今後を考えてあえて厳しく突き放すこともありそうですね~。