スーパーファミコン「イースⅣ マスク・オブ・ザ・サン」の感想です。
どうしてもPCE版と比較されがちな本作ではあるが、当時プレイした感想なんかを紹介。
基本部分は前作「3」ではなく、「1」「2」のシステムを踏襲している。
視点がサイドビューからトップビューへ、敵を倒すのも体当たりというスタイルに戻っている。
あとは2作目にあった魔法が復活したことでステータスにMPも復活した。
システム部分で書くことはほとんどない。
敵を体当たりで倒しつつレベルを上げて、装備品で強化しながらどんどん先へと進めていく。
シリーズファンならわかっていると思うが、当然謎解きなんて要素は皆無。
ひたすら最初から最後まで戦いの連続である。
(魔法が復活)
魔法使用にはMPを消費し、それぞれの武器で使える魔法は決まっている(たぶんそうだったかと)。
だがこの魔法、ハッキリ言って使った記憶が全然ない。
つうか、普通に体当たりした方が早かった覚えがあるんだが。
(アイテム使用)
主に使うのは薬草とウイングくらい。
薬草は前作「3」同様にボス戦中でも使用可能。
また、ウイングは行き先を細かく選べるようになっており使い勝手はいい。
毒消しなんてアイテムもあるが、これがまたまぁなんともw
そのあたりは下記で紹介しておこう。
●スーパーファミコン版の謎な部分
このSFC版、かなりツッコミどころがある。
とくに個人的に気になった部分をいくつか紹介しておこう。
(相変わらず謎のタイトル画面)
前作「3」でも謎だったタイトル画面は本作でも健在。
曲はオリジナルだがかっこよくて悪くはない。
ただ、大きく表示されたイースのロゴの背景で、「YsⅣ」が画面一杯にたくさん表示されてスクロールしていることに意味はあるのか?
なんで毎回意味のないことをするんだ。
トンキンハウスの中ではあれが「カッコイイ」のか?
↑おわかりだろうか? 背景のおびただしい「YSⅣ」の文字が……
(半キャラずらし前提の戦い)
イースといえば半キャラずらし。
敵とのラインを半キャラ分ずらして体当たりすれば、ノーダメージで敵を倒せる。
だが、1作目や2作目が正面からぶつかってもダメージは受けるにせよ、こちらもある程度のダメージを与えられたのに、このSFC版4はこちらのレベルが勝っていないと、凄まじい勢いで押し負ける。
つまり半キャラずらしをしないと雑魚的相手でも一方的にやられてしまうということである。
極端すぎるんだよ。
(そして理不尽な敵の強さ)
正面からの体当たりを跳ね返されてしまう貧弱アドルに、序盤から猛スピードで追いかけてくる雑魚敵が登場。
奴らはアドルと同じ速さで執拗に追ってくる。
行き止まりへと追い込まれるとまず死ぬ。
同じ速さで追ってくる敵に半キャラずらししている余裕なんてなかなかない。
そして最初のデカキャラの攻撃威力もどうにも理不尽。
おそらくそれなりの適正レベルで挑んでいるはずなのに、一撃、よくて二撃で死ぬ攻撃をしてくる。
最初のデカキャラだぞ?
↑最初のデカキャラのくせに攻撃が激しい
(毒の意味)
本作には「毒」のステータス異常が存在する。
それを回復する「毒消し」というアイテムも用意されている。
だが、この貴重な状態異常である「毒」攻撃をしてくるのはゲーム中に1匹のみ。
……なくてもよかったんじゃないか?
●音楽
毎度ファルコムゲームと言えばこの話題になるわけだが、とくにイースは他機種版とよく比較される。
音質面ではCD-ROM2のPCE版に勝てるわけがないのだが、アレンジが好きかどうかとなると話は別。
「イース」伝統の軽快なテンポの曲はこのSFC版の方が多い。
PCE版は一部の曲をかなり大胆にアレンジしているので、私個人の好みとしてはイマイチな曲もあった。
だが、このSFC版はそんな大掛かりなアレンジはしていないためどれも「イースらしい」テンポに仕上がっている。
また、青銅の街区で流れるSFC版オリジナル曲はふつうにかっこいい。
つうか、青銅の街区の曲はSFC版もPCE版もどっちも大好きだな。
↑BGM「流砂の溪谷」はSFC版の方がテンポがいいのだが流れる場所は雷雨の聖域
主にバランス面でのツッコミどころが多い本作だが、よく比較されるPCE版に勝っている部分もある。
それはゲーム全体のテンポ。
主人公アドルの移動速度がSFC版は速く、イベント関係の演出もあっさりしているからだ。
PCE版はイベント時にボイス演出やビジュアルシーンが挿入されるので豪華ではあるんだがテンポは悪い。
PCE版レビューでも書いたが、SFC版とPCE版どちらが好きかはもう好みの問題。
信者間ではどっちが上が下だという言い合いもあるようだが、私にいわせりゃどっちもどっちだわ。
「イース4」はどっちも一長一短あるというか、開発メーカーの色が濃く出過ぎてて、それまでの「イース」と比べるとどうしても違和感を拭えなかった。
あとは実際に両方やって自分の目で確かめろってことで。