第85話「動きはじめる試合の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


谷原戦5回裏。
守備についた墨谷ナインの動きに谷原のマネージャー樋口が反応する。
「心なしか敵さん…肩で息をしてませんか?」
自分にはよくわからないと話す谷原監督だが、今までのピンピンとしていた感じとは何か雰囲気が違うと言う。

谷原の打順は4番の坂東から。
「おい坂東。おれのカンで悪いがな。この回はそろそろ点が入りそうだぞ」
そう話すキャプテン佐々木に
「わかってるよキャプテン」
と答えて打席に入る坂東。
ベンチの樋口も試合が動きそうだと感じていた。

1球目は高めのボール。
「ん。スッポ抜けた!」
田所がそのボールの異変に気付く。
2球目は倉橋の要求通りヒザ元へのいいカーブだったが、坂東はこれを打ち返す。
打ち取ったかと思われた打球は、飛びつくサード谷口とショートイガラシの間を抜けてレフト前へ。
ノーアウト1塁となって打席には5番佐々木。
バントの構えを見せる佐々木にバスターも警戒しての初球。
投げた瞬間バットを引いた佐々木にライト方向へと打ち返されるが、十分ライトの守備範囲かというフライ。
ところが飛びつくライト半田の向こうに打球が落ちてノーアウト2・3塁。
3点差あるから落ち着いていくよう松川に指示を送る谷口。
打席には6番村井。
(最悪歩かせてもいいんだ)
と目一杯外角に構えた倉橋だが、松川の初球はさらに大きく外れるボール球となる。
(松川。握力が落ちてきてるか…?)
と心配する倉橋。
そして続く2球目を打ち返され、ファーストの頭を超えるライト前ヒットとなり、3塁ランナーがホームイン。
これで3対1となり、しかもまだノーアウト1・3塁のピンチ。

(松川は限界だ)
そう感じた谷口が松川に交代を告げ、2番手イガラシがマウンドへ。
「同点まではやむをえない」
「2イニングス全力で行ってくれ。そのあとはおれが行く」

谷口から指示され、投球練習を行うイガラシだが、スタンドから見守る田所は、急にヘロヘロになった松川よりははるかにマシではあるものの、イガラシもどこか体が重そうに見えるという。
谷原ベンチではこんな場面で1年生をマウンドに上げる作戦に疑問の声が出るが、その中で樋口だけは、
「いや! 学年は関係ありません」
「イガラシは中学で全国制覇した名選手です」
「短いイニングと割り切ったら恐ろしい馬力を出してきますよ」

と警戒を促す。

谷口からは同点まではいいと言われたが、当然そんなつもりはないイガラシ。
(ノーアウト1・3塁を……「0」で抑えてやる!)
その思いどおりにイガラシは後続を抑えてこのピンチを切り抜ける。
その馬力の凄さに谷原ナインも侮れない1年生だと認識を改めたらしい。
その後、2イニングスの予定だったイガラシは底力を出し始め、なんと7回裏までの3イニングを0点に抑えてみせた。

ここで第85話が終了となります。

感想

やはりここにきて疲れが出てきた墨谷ナイン。
全員が肩で息をしている状態ですが、イガラシのクソ力(丸井の台詞)によってなんとか踏ん張った感じでしょうか。
3イニング抑えてくれたのはさすがですね。

今回個人的に面白かったのは谷原の4番が坂東だとわかったこと。
練習試合で攻撃前に円陣を組んで、監督から墨谷を徹底的に叩けと指示を受けた際に
(ムキになっちまってまあ)
と思っていた選手ですね。
4番という雰囲気ではなかったので(失礼)すごい選手だったんだなとw
こうしてみると谷原の選手は村井が多く描かれているけど、他の選手もじっくり見てみたいなと思いました。

さて、次回は9打席連続ヒットがかかる谷口の打席。
ここまで来ると連続ヒットよりも残り2イニングを谷口が抑えられるかの方が気になってしまいます。
谷原相手にこのまますんなりいくとも思えませんし……。

関連リンク

・第81話「センバツに行った奴らのレベルの巻」
・第82話「好発進!松川の巻」
・第83話「谷原のマネージャーの考え方の巻」
・第84話「切り返しができないの巻」
・第85話「動きはじめる試合の巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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8 Thoughts on “「プレイボール2」第85話感想

  1. 元々上手い訳でもない上に、
    疲れているのにライト半田にこだわるのはなんでですかね?

    加藤は貴重な左だし、
    横井なんて2年生からレギュラーなのに、
    最後の大会で出番なし。

    2人とも内野手ですが、
    どう考えても半田より上手いと思います。

    それこそ片瀬なんかより計算できる守備固めなのに。

    それと先制→逃げ切りのパターンにも少々飽き気味です。

    • 確かにこの疲れ切っている状況なら加藤や横井ら控えの選手と交代してもいい気はしますね。
      半田のバントが必要……だとしても守備面でのリスクの方が大きいですし、横井の出番が全然ないのも寂しいかなぁ。

      • 横井が不憫で(笑)

        同級生では
        横井>戸室が
        谷口、倉橋の途中加入で
        谷口=>倉橋>横井>戸室になって、
        今は戸室レギュラー、
        横井はベンチ…

        新入生の前では
        谷口、倉橋以上に張り切ってハッパかけていたの(^^;)

        試合前の守備練習で山口との二遊間が、
        相手チームに
        「さすが、やるな(ゴクリ)」
        と言われるのが好きでした(笑)

        • そういえば今の1年生を前にハッパかけていましたねw
          守備位置の問題もあるんでしょうけど、まだ試合に出ている戸室と比べて横井は確かに不憫かも……。
          谷口たちと同じ3年生で最後の大会だから活躍の場があって欲しいですね~。

  2. そういえば「ムキになっちまってまあ」って言ってたやついましたね。しかし今思えば谷原の監督は墨谷がいずれ脅威となることを予言してましたよね。もっと先の話だと思ってたと思うんですけど。
    それにしても、甲子園出場校の谷原を3イニングゼロに抑えるんだから、1年生ながらイガラシの実力は超高校級ということになりますね。「ちばあきおの全て」と言う本の中でイガラシはノンプロ、谷口は谷口工務店の社長、丸井は墨谷二中の監督という続編がありましたが、やはりイガラシは別格ですね。
    以前から気になっている片瀬はどうなったのかなぁ?谷原は谷口のフォークも難なく打ち返してましたから不安ですよね。片瀬が志願登板してピンチを切り抜けたりしたら感動もんなんですけどw。

    • 確か谷原監督が「まだ先の話」みたいな事言ってましたね~。
      まさかこんな早くとはさすがの監督でも読めなかったかな?

      「ちばあきおの全て」という本に載っているという続編、以前からそういうのがあるとは聞いていたんですけどまだ一度も読んだことないんですよねぇ。
      すごく気になっていますw

      そういえば片瀬もあれから出てこないですね……。
      出番増えるかなと期待していたのでまた登場して欲しいところです。

      • 確か「その後の谷口君」ってタイトルだったかなぁ?イガラシはノンプロ、谷口は谷口工務店の社長、丸井は車のセールスしながら墨谷ニ中の監督してて、そこで谷口の息子に出会うんですよね。で、丸井は息子にピッチャーを勧めるんですが、最初戸惑っていた息子はオヤジに似て努力家で、2階の自分の部屋で床をミシッミシッと鳴らしながら黙々とシャドーピッチングを始めるんですよ。その音を茶の間で聞いていた谷口の嫁さんが「やっぱりカエルの子はカエルだねぇ」みたいな感じで終わります。
        墨谷はすでに弱小校になってるようで、歴史は繰り返すを予感させるようなストーリーでした。
        丸井がパンチパーマになってたのには笑いました(笑)。

        • それぞれがそれぞれの道を歩んでいるってあたりがなんともリアルですね~。
          墨谷が弱小校になっているというのも寂しさを感じさせると言いますか……。

          でもパンチパーマの丸井だけはとても想像できません!
          この文章だけで笑えてしまうw

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