第13話「リスペクトの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
富戸中戦は9回裏に4対4の同点に追いつかれて、なお2アウトランナー1・2塁。
マウンドにはJOY。
打席には杉本。
本来小器用なピッチャーのJOYは変化球を混ぜれば簡単に相手を打ち取れることを知っていたが目覚めてしまった。
ストレートにこだわらないと今の自分の殻を破れない。
ピッチャーとしてのステップアップがのぞめないことを。
そんなJOY渾身のストレートだったが杉本に打ち返される。
打球は前進して飛びついたセンターのわずか前に落ちるヒット。
すぐに中継からバックホームされるもクロスプレーとなって判定はセーフ。
富戸中のサヨナラ勝ちとなった。
両チーム試合終了の挨拶を済ませてベンチへ引き上げようとする中、
「近藤クン」
杉本が近藤に声をかけて右手を差し出す。
それに応える形で近藤も手を出して両者がっちり握手。
「今までのことは水に流そうや」
「ああ」
続けて杉本は
「ガンコで気の強い後輩だな。ありゃ意地っ張りだよ」
「アイツを突き放すためにマウンドを降りたんだろう?」
と言うと、見抜かれたらしい近藤の口元が緩む。
「でもアイツはそれに応えた」
「恐ろしいボールしか投げ込んでこなかったよ」
それを聞いた近藤は、
「負けたコッチが言うのもナンだがな…」
と言って、杉本にひしっと抱きついた。
「君ってエエ奴やったんやな」
だが、ベンチへ引き上げる最中、杉本は
(あの後輩クンは絶対大きなピッチャーになって帰ってくるな)
と危機感を募らせていた。
そして近藤は
(ワイは改めて富戸を…杉本を尊敬するよ)
(エ~ト「尊敬」って英語でゆーとなんてんだっけ?)
と考えながら球場の通路をナインと共に歩いていた。
その前方に片足で地面をトントンさせる不機嫌そうな丸井の姿を見つけてドキ!
「丸井さん……」
「ま…負けました」
丸井はジ~~~っとナインを見つめ、
「こぢんまりとして小利口になって…」
「チマチマしたチームを作り上げたと思っていたがな…」
「それでも全国大会ベスト8。おれの時代には出せなかった結果を見事に出した」
「あっぱれと言っとこう」
と言うと、JOYの前へと歩み寄ってその顔をまたジ~~っと見つめ、
「自分が打たれて負けたのに平気な顔しちゃってェ…」
「オマエ……春の選抜の時に比べたらはるかに成長したな」
「墨二始まって以来の大エースが誕生するのかもしれねぇ…!」
と言い、
「近藤! おめぇがやりたかったことはこーゆーことなんだろ!?」
「あのガキだったおめぇがよ……」
「りっぱなキャプテンを果たしたと誉めとくわ!」
と言って再び近藤へと歩み寄り、
「男の世界――!」
と叫ぶと、近藤の肩に手を回す。
「さあ次だ! 高校野球だ!」
「墨高へ来い! みっちり鍛えてやる!」
思わぬ誘いに
「丸井さんが一回落ちた?」
「バーロイ! さらっと本当の事をゆーんじゃねェ!」
と戸惑いながら言っちゃった近藤の頭を丸井がペチっとはたく。
自分にとっては本当に(墨高進学は)難しいでっせという近藤の嘆きも、
「文武両道なんだろ!?」
と一刀両断されるのだった。
一方、まだスタンドに座ったままだった近藤パパは、共に残っていた相木と今野に、
「息子らしいと言えば息子らしい負け方だった」
「息子は何かを残せましたかな?」
とたずねる。
「残せましたよ。大きな遺産をね」
そう答える相木と、
(英語でゆーとレガシー)
と思う今野。
一足先に席を立ってスタンドの階段を上っていた市川記者も、近藤の人間的成長への驚きと、高校野球部に入ってからの活躍に期待を抱いていた。
日は変わって近藤の部屋では本格的な受験態勢だと相木が激を飛ばす。
『めざせ墨高!』
と書かれた紙を持って、
「これでいいんだよね?」
と聞く相木だが、近藤の表情は浮かない。
自分は相木のおかげで成績は上がったが、でも本当に墨高を目指していい人間なのか自信が持てないと話す。
「野球部の先輩に丸井さんって人がいて墨高を落ちたんです」
「そのあと仕方なく朝日高校へ行ったんです」
「現実問題ワイかてそーゆー運命が待ってるかもしれません」
そんな近藤に野球とは違ってえらく弱気だなと言う相木だが、
「野球は得意分野! 勉強は苦手分野!」
とさっぱり自信が持てない様子の近藤。
「とにかくこれはここに貼っとくよ」
「貼っとくだけだったらタダだからな!」
と、有無を言わさず『めざせ墨高!』を壁に貼り付けると、二人は勉強を開始する。
そして春。
入試の日。
近藤は墨高に立っていた。
(そうや! 『尊敬』は『リスペクト』やった…)
ここで第13話が終了となります。
やはり富戸中に敗北という形で終わりました。
それでもJOYへの印象はそれぞれに強く残ったようで、近藤としてはキャプテンとしての仕事を全うできた形だったのかなと思います。
それにしても途中までは杉本や富戸中ナインは本当に精神的に成長したのか、あるいは裏があるのかなんて疑いながら読んでいたのですが、本当に成長しましたね。
そして次回からキャプテン2はグランドジャンプ本誌(12号 5月19日発売)へと引っ越しての新章突入となるようです。
次回予告に
『伝説のあの人が監督になっていた』
とあるので、近藤は無事に墨高へ進学して、やはり谷口は墨高野球部の監督になっているんでしょうね。
新章は誰を主役として、タイトルがどうなるのかなど気になるところも色々あります。
そのあたりは次回のグランドジャンプで情報出るかな?
キャプテン2の第1巻も新章と同時発売(5月19日)されることが決定しましたし、プレイボール2が次回最終回ということで色々想像してしまいましたが、まだまだ歴代墨二キャプテンや墨高野球部の活躍は見られそうです。
・第9話「ダブルスチールを決めろ!の巻」
・第10話「まっ向勝負の喜びの巻」
・第11話「後輩を育てろ!の巻」
・第12話「相手を尊敬しつつ踏みつけろの巻」
・第13話「リスペクトの巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
キャプテン2拝見いたしました。
近藤・牧野・佐藤・曽根が墨谷高校に入学しましたね。
ちなみに、井口が捕手と書いてありましたが、左投げの投手ではなかったですか。
確かに、捕手がいませんね。
墨二組が揃って墨高に入学しましたね~。
言われてみると井口は左ですねぇ。
あのシーンで描かれていた捕手井口の姿は実現するのかな?
現状捕手もできそうな人物といえばイガラシくらいでしょうか。
牧野はすぐにってわけにはいかなそうですし……。
キャプテン、それは歴代のキャプテン達が、自分の考えでナインを引っ張って、全国大会優勝を目指す物語だと思っていました。
もしも、墨谷ニ中に谷口監督がいたら、近藤のような采配はせず、全国大会連覇させてたでしょう。
しかし近藤が春に層を厚く、来年以降のチーム作りに焦点を置いてたので、これも歴代の指を折ろうが肩を壊そうが優勝目指すキャプテンと違う考え方で、有りと思いました。
今の近藤と谷口は、考え方が水と油なのかなと思いますが、それは置いておくというか、先のお話として、今後のキャプテン2は、丸井キャプテン編では無く、谷口監督編になるのではないでしょうか?
あくまで谷口の考え方でチームが進むのだと思います、それを果たしてキャプテン2というタイトル作品で描く事に変な違和感を感じました。
思い切って両方終わらせ、新連載マネージャーとか、もしくはプレイボール2を谷口高校編ではなく、谷口高校以降編ととらえてこちらでやるのが良かったかなとか感じました。
結局何が言いたいのかと言うと、変に細かい事に拘ってるのではなく、キャプテンの魅力は、中学生のプレーヤーのキャプテンが、色々悩み苦悩しながら物語が進む部分だったのかなと。
高校生になるのは問題無いけど、監督が主役になると、キャプテンという作品独特の良さも無くなるかなと不安ばかりに感じてしまってます。
まあ、丸井が甲子園連れて行くのに違和感あるし、丸井主役にもまた不安がありますが、、、
すみません、結局これしか無いのかなと思います、支離滅裂申し訳ないm(_ _)m
まもるさんがおっしゃるようにキャプテンは墨二歴代キャプテンの物語だと思っているので、谷口監督を主役として墨高野球部を描いていくのであればプレイボール2というタイトルで続けた方が……と思います。
そういった部分でグランドジャンプでの連載がどういう形で続行されるのか、とても気になりますね~。
あるいはプレイボール2ともキャプテン2とも違うタイトルになるのかなぁなんて考えたりもしましたが、それはさすがにないかなぁ……。
>プレイボール2ともキャプテン2とも違うタイトル
大キャプテン、もしくはベースボールかな?
大キャプテンw
大甲子園と並べると壮大な野球マンガ棚になりそうですねぇ。
キャプテンやプレイボールのタイトルは残したいと思うので、そうなるとわかりやすく~~編みたいにするのかなぁとか。
ラストのページ。都立の入試は2月ですよ。これは作者が間違えても出版社の校閲部がチェックしなきゃいけないミス。てかふつう3月に入試なんてFラン校の追加募集くらい。スミヤは難関名門なのか丸井と近藤が絶望的に偏差値低いのか…??? 合格発表なら3月ありですが…。 なんだかにゃあ
コージイ先生なんか都立(公立)にすごい偏見があるのかも。ドカベンなんか引っ張り出さないでも甲子園に行った都立(公立)は立川以降もいくつも在るし、甲子園目指したら大学に受からないとか全国大会に出てないとスポーツ推薦が受けられないとか、なんの根拠でかかれているのでしようかねぇ???
https://bmfree.com/archives/3693
https://bunshun.jp/articles/-/8882
これでも「公立は甲子園に行けるわけがない」という理屈になるのがすごく不思議です。記者キャラには言わせてましたが、まさに「見たかったな、都立の甲子園」。
マンガなんですよ。魔球だって女子投手だってありの世界でドカベンなんか引き合いに出すより都立が甲子園に出てどうしていけないのでしょうか???
近藤合流は想定内ですがそれは最低限谷口が一回戦でも甲子園に行ってからだったのでは。あの流れで谷原に勝つことは不自然でなかったし編集部の意図がまったくわかりません。谷口が監督とかになったら丸井なんてただの飾りになりますし、どうするおつもりなのか???
谷口監督と丸井キャプテンの関係性をどう描くかはすごく難しそうですね。
丸井は谷口に絶対の信頼を寄せているから、それこそおっしゃるようにお飾りになってしまってもダメだし……。
谷口は最低限の仕事だけして、あくまで丸井キャプテンのチーム作りに託しそうな気も。
今回はどう考えても墨高偏差値高い扱いですよね。
どうもいろいろブレブレですにゃあ。
子供の玉遊び扱い以降、どうもコージィ先生なんか都立を誤解してるんですかねぇ。
二流私立より全然しっかりしてますよ。甲子園には行ったことないけど『おおきく振りかぶって』のライバル校のモデルになったことある都立出身です。
わたしは文化系で野球部の頑張りを見てただけですが…
私は帰宅部で同じく見ていただけでした……。
井口にやさしくした丸井はもう近藤も蹴れないしどうまとめるおつもりなのか???
近藤と井口のバッテリーとか衝突しそうな気もするし、丸井キャプテンも今回は大変そう……。
このメンツにするなら監督はノンプロ経験者の近藤パパしかないじゃないですか???
近藤と井口はもろキャラかぶってるし、こ−じい先生と編集部は本当に何をどうしたいのか??
????どうするつもりなのでしょうねぇ。
続くのでしようか???
でもあの俺達の大好きな不屈の男・谷口がたった18歳で現役プレーヤーを諦めるのは
かなり超いやなのですが。
致命的な負傷とかもおってないですし。
ノンプロでも社会人でも
イチローだってドラフトで入れなかったんですよ。
秋季大会スルーも納得いかないです。
谷口が現役引退という形は色々な意見がありそうですよねぇ。
予備校通いながら監督となれば、大学合格後にまた現役復帰とかはないのかなぁ……。
甲子園進出と引き換えに、原作キャプテンのラストの指骨折以上の取り返しのつかない負傷とかならともかく、(スラムダンクの花道は治りましたが)選手生命を断たれるほどの負傷で車椅子生活とかになったのなら、18歳で監督とかもありですが…。肩を壊して一度は引退した星飛雄馬だって右投げにコンバートして現役復帰したのですよ。たかが甲子園に出られなかったくらいで放り出すほど谷口の野球への情熱は軽いものだったのでしょうか???
キャプテン2の本誌移籍とかを見ると谷口が監督になる設定ありきでの展開だったのかなとは感じますね。
あきお先生時代のライバル達もほぼいなくなるので、
これからはコージィ先生のオリジナル加減が増しますね。
何も足さない引かない
から盛りまくりに…
どうせなら丸井とイガラシの身長も成長させてあげたい(笑)
言われてみると二人の身長変わっていませんねw
アニメ版キャプテンでもイガラシは三年生時代になると身長伸びてた感じあるけど丸井はそのままだったし……。
続編からはよりコージィ城倉先生の色が濃い内容にはなりそうですね~。
どんな展開になるか気になります。
最近のプレイボールや今回のお話が駆け足だったのも、キャプテン移籍連載の布石だったとは…
近藤が墨谷に滑って他校で対峙するって展開もありそうですね
負けてしまっても最後には結果だけでなく近藤のチーム方針を認めた丸井も良かったですね。高校でチームメイトになったら調子に乗りやすい近藤と井口2人の面倒を見ないといけませんから負担は大きくなりそうですが…
墨谷二中は松尾がキャプテンで慎二が副キャプテンになりそうな気がします。
松尾ママも文武両道スタイルなら納得しそうですし
プレイボール2終了とキャプテン2移籍で時期を合わせるためだった感じですかね~。
墨二キャプテンになる前の近藤と江田川中時代の井口相手だったら、丸井が初日からブチギレまくる展開とかありそうだったけど、今の2人相手なら大丈夫なのかなぁ。
丸井の性格上衝突は避けられなさそうですけど、そういった場面で谷口監督がどんな対応を見せるのかも気になりますw
墨二の次期キャプテンが松尾なら松尾ママの出番もまた増えるかな?
お疲れ様です。
作者がやりたかったのは墨二キャプテン全員集合で目指せ甲子園だったのですね。
この展開にすることを条件に続編を引き受けたのかなぁ!って邪推しました。
この展開に文句を言うつもりはないですが、あと半年新章を遅らせて谷原戦をじっくり描くことは出来なかったのか。
谷口君の高校最後の夏ですよ。
残念でなりません。
ありがとうございます~。
言われてみると、タイミング的にも墨二キャプテン勢揃いでの甲子園行きを狙っていた感じしますね~。
谷原戦をじっくり最後まで描いて欲しかった点も全く同感です!
ずっと見てきた谷口の高校野球最後だっただけに最後の瞬間まで描いて欲しかったなぁ……。
おっしゃるとおりです!!
歴代の墨谷二中のキャプテンが4人揃うわけですね。望んでいた展開だったので嬉しいです。
墨谷二中は優勝は出来なかったけど、近藤は良いチームを残したんですね。それはそれでアリかなと。次はイガラシ弟の慎二がキャプテン、副キャプテンに松尾、エースはJOYって感じですかね?いつか続きを書いて欲しいなと思います。
墨高ですけど、監督に谷口、キャプテンに丸井。参謀に半田。投手陣は松川、イガラシの両エースに加えて新戦力に近藤。井口がキャッチャーというのも案外いいかも(確か、墨ニ対江田川の時に井口は勘がいいとイガラシが言ってたはず)。マスク姿も似合いそうですよね。ただ、投手と捕手の掛け持ちはいくら何でもキツいから捕手に専念かなぁ。勿体ない気もするけど、でも投げる場面はきっとあると思いますね。久保や片瀬の活躍も見れそうですね。
僕はしつこいようですけど、佐野に出てきて欲しいです。やはり最大のライバルは佐野でしょうから。谷原はもう墨高に勝てないし、佐野に勝って甲子園に行って欲しいです。明善はどうでもいいかな(笑)
ありましたね~。
井口の事を勘のいい奴だって台詞。
なんとなく井口の粗い部分だけ見て捕手に向いているかなと思っていましたけど、そういう部分や江田川キャプテン時代を考えたら案外向いているのかなぁ。
佐野はあのまま終わるとは思えないし、さらに力をつけて出てきそうですねぇ。
プレイボール2第95話の内容を考えたら田淵監督率いる川北も……。
プレイボールは谷口の物語なので
近藤が入学してキャプテン集結だからキャプテン2でってことなんかな?
集結は面白いけど谷口の甲子園でのマウンドが見たかった・・・
甲子園出場するけど初戦敗北して、甲子園で勝ちたい気持ちが
燻っている時に監督打診だったらまだ良かった気がする
あと気になるのは近藤以外の牧野・曽根・佐藤の3人が墨高に入るのかどうかかな・・・
そのためのプレイボール2終了からのキャプテン2本誌への移動って感じでしょうかね~。
確かに一旦完全に頭から野球を切り離しての監督よりは、甲子園への気持ちが残った形での監督就任の方が流れは自然だった気がします。
牧野たち他の三年生の進路も語られるといいんですけどどうでしょうか。
もしかすると次回そういった場面も用意されているかも?
ほんとうにそのとおりです!!
最後のページで思わずのけぞりました。もしやとは思っていましたが、墨谷二中歴代キャプテン揃い踏みが見られるとは。谷口監督と丸井キャプテンの下、甲子園を目指すことになるのでしょうか。イガラシ、井口、近藤の投手陣は他の強豪校にも見劣りしない布陣で期待できそうです。
驚きとやっぱりって感じでしたw
墨二歴代キャプテンが揃う様子や、谷口と近藤がどういうやりとりをするのか気になりますね~。
今の近藤だったらもめるような事はないのかなぁとも思いますけど……。