第17話「成長した浪人1年生の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
夜。
自室で勉強する谷口。
しかし眠気を感じて
「眠い時は思い切って寝るに限る」
と眠ること4時間。
目を覚ますと再び机に向かって勉強を始める。
睡眠不足なのではと心配していた母ちゃんだが、父ちゃんの方は谷口がちゃんと調整して勉強していることをわかっているようで、両親ともに谷口が効率良く勉強している事に納得。
この日は予備校で小テスト。
谷口の手が前回よりもスムーズに動いている事に気付くリカ。
帰り道。
松下から
「今日の小テストはできたみたいだな谷口」
と言われて、悪くない感触を口にする。
「ちょっとコツみたいなものがわかってきたかな?」
と話す谷口に松下は、
(谷口が受験テクニックを吸収し始めたら伸びるんじゃねぇのか?)
と感じる。
すると横断歩道の向こう側に、リカとサチ子、そして喫茶店で一緒にいた元高校球児の男2人の姿。
リカとサチ子はどこか遠慮した様子で彼らが谷口に握手してもらいたいのだと話す。
「あ、あのさ、谷口クンて8打席連続安打やったとかサイクルヒットやったとかって本当なの?」
リカの質問に
「いや……まあ……」
なんて答えていると、男たちが谷口は神宮球場で2打席連続ホームランもやっていると話す。
(な、なんなの? タニグチ!)
サチ子の心の叫び。
そして元高校球児2人と握手を交わす谷口はどこの高校かを聞き、彼らがお花茶屋高校だと答えると、
「お花茶屋高校? ああ、聞いたことある…」
と言う。
万年1回戦負けの学校なのに、東東京ベスト4の人がおれ達の高校知ってると興奮する元球児2人に、
(コイツらのこの態度……)
とリカとサチ子はこれまたビックリ。
そんな様子を後ろから見ていた松下は、
(それにしても人は見かけによらねえな)
(コイツら案外頭のいい高校に通ってたのね)
と思うのだった。
その頃、予備校講師がこの日の小テストを採点中。
なんと谷口がこの日の小テストで満点を採っていた。
隣りの席のリカの点数は50点だからカンニングしたとしても100点はとれない。
受験せずに予備校に入り、このクラスではビリだった谷口がトップになったことに驚きを隠せないでいた。
墨高野球部の部室。
「キャプテン……」
「ん! 何? 半田…」
部室に2人だけで着替え中、半田に声をかけられて戸惑った様子で返事をする丸井。
「近藤センシュ……いいですね」
「ん! ああ……まあな」
「今日はフリーバッティングやらせてみませんか?」
半田の提案を受け入れて、この日は近藤にフリーバッティングをやらせることに。
(わ~~~! 燃えてきたでェ)
喜びのスイングを行う近藤。
ピッチャーイガラシの第一球。
豪快にバットを振る近藤だが打球はボテボテのゴロ。
しかも手から全身にかけてビリリと痺れてしまう。
「しびれたか? バットの芯でボールを捉えてないからだ」
イガラシのアドバイスを聞いて、バットの芯で捉えることを意識しての第二球。
さっきよりもマシなゴロが転がっていくが、
(いやいやこの感触。硬球おそろしや)
と近藤は愕然とする。
さらに続けてバッティングを続け、なんとか外野までボールが飛ぶようになり、
「す、少しは芯に近づいてきたか?」
と言う近藤だが、それでも軟球との打つ感覚の違いに戸惑いを隠せない。
すると丸井が
「おーい。今度はこれで打ってみろや」
と木のバットを近藤に渡す。
「木のバット?」
頭に?マークを浮かべながら木製バットで打つと、これまたビリリリと痺れ。
(”木”で硬球を打つとこーゆーことになるの!?)
打席でへたれこんで痺れに耐える近藤と、
「ひひひひひ!」
と腹抱えて笑う丸井。
次は竹バットを渡されて打つが、打球はボテ! コロコロと転がるまさにボテボテのゴロ。
打席で白目剥いて倒れる近藤と、それを見てケタケタ笑い転げる丸井。
「悪魔のバット!」
そう叫びながら両手の痺れに悲鳴を上げる近藤に丸井とイガラシが、
「ははは。この竹バットってのはな、木のバットよりさらに芯が狭いのよ」
「芯でボールを捉える練習をするバットさ」
と教える。
墨谷の選手はみんなこれでフリーバッティングをやっているのだと聞いて驚く近藤。
そこへ谷口がやって来て
「ははは。1年がフリーバッティングをやるのはもっと徹底的にトスバッティングをやってからだな!」
と、近藤にタマ拾いへ戻るよう指示。
そしてイガラシとバッティングピッチャーを交代した谷口に近藤が、
「あの~~、谷口さんもこの竹バットで打ってたわけですよね?」
と聞き、そうだと言われて、
(こんなバットで塀ギリギリまで飛ばしてたの!? 谷口さんて………バケモノ??)
と、ただただビックリする近藤だった。
その後は谷口相手に丸井からフリーバッティングを行う。
(谷口さんにバッティングピッチャーをやってもらうってことがどんなに貴重なことか!)
谷口はバッティングピッチャーをする事が自分の練習にもなっていて一石二鳥。
浪人1年生の谷口は高校3年生の時より明らかに成長している。
打てば飛距離アップ。
投げてもスピードアップしてズシリとくるような重いボールになったと丸井は感じていた。
そして、脳裏に浮かぶのは谷口の3キロ太ったという言葉だった。
一方、タマ拾いに戻った近藤に井口が声をかける。
「はは、近藤。洗礼をあびたようだな」
「バットはいずれ慣れるさ! だが今のバッティングを見ていてもオマエの根本的な弱点が見えてくるな」
そう言われた近藤は
「ワ、ワイの弱点てなんなんスか? 教えて下さい! 井口はん!」
と叫ぶが、
「だからはん――て!」
と顔を真っ赤にした井口に怒鳴られる。
その後も練習が続く中、丸井は谷口に、
「あの~ちょっと伺いたいことがあるんですがね谷口さん…」
「野球選手にとってウエイトを増やすってことはメリットがあることなんですかね?」
と質問する。
ここで第17話が終了となります。
今回はリカとサチ子に始まり、予備校講師、そして近藤と、みんなが驚いてばかりいた回でした。
サチ子の
(な、なんなの? タニグチ!)
は思わず笑ってしまいましたw
でも彼女たちの谷口を見る目が明らかに変わってきましたね。
そして丸井と半田。
半田よりも丸井の方がかなり意識しているのかなという雰囲気ですが、前回までに感じた対立している雰囲気ではなかったのが少し安心しました。
近藤の様子に笑い転げる丸井の姿も
「これでこそ丸井だよなぁ」
と思う一方で、ちゃんと芯で捉えるための練習だと説明しているあたりなんかは丸井の成長を感じました。
今回も近藤の弱点については判明しませんでしたが、それにしても谷口、丸井、イガラシ、井口といった豪華な顔ぶれに指導してもらえるっていうのはすごい事ですし、彼らの指導で近藤がここからさらにどう伸びるのか楽しみになりますね。
・第13話「リスペクトの巻」
・第14話「予備校生なのに二足のワラジの巻」
・第15話「暴落した墨谷株の巻」
・第16話「気持ちいいキャッチボールの巻」
・第17話「成長した浪人1年生の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
谷口君ここへ来て勉学の方も要領つかんだかな。小中学校の勉強は教科書中心の勉強でも十分な成績を取れたし、高校入試も公立校であればレベルの高い学校も合格できた。だから中学までなら同じ偏差値70でも教科書レベルの偏差値70と幅広い知識をもった偏差値70と二種類の学生がいたわけです。しかし大学受験ともなると全然別物。教科書学習にプラスアルファが求められるのです。そのプラスアルファとは簡単に言えば応用力ですね。それを鍛えないと大学受験の問題はなかなか解けない。その辺わからない人も結構いるのですよ。唯一社会科だけは暗記科目で教科書中心の学習でも(超難関大学以外なら)間に合うけど。だから模試でも社会は高得点だけど、他はサッパリなんて学生もいるわけです。でも谷口君は野球でも攻略法を上手く編み出す能力があったように、勉強でもその能力を発揮したようです。先生方からすりゃなかなか楽しみな存在でしょうな。
谷口君、野球の伸びもまだまだこれからですね。大学でも野球をやらせたかったですね。プロも夢ではないのでは?
一方で近藤の方は打撃においては軟式と硬式の違いを思い知ったようですが、ピッチングはどうでしょうか。高校進学後のピッチングをまだ見てないのでなんとも言えませんが、中学に入った時はかなりのスピードで、丸井ですら強襲ヒットがやっとでした。今思えば救世主でしたよ。実際それでチームも強くなりましたしね。
では高校の近藤の球を墨谷の選手達は打てるかどうか?それによって今後を占えるのではないでしょうか?簡単に打たれるようでは、先が思いやられますね。また昨年みたいに全て1点差の辛勝の試合ばかりで大苦戦が予想されます。すくなくとも東実の佐野みたいに中学の時とは全然違うといった感じの成長がなきゃね。逆に墨谷の選手達が打ちあぐむようならかなり楽しみですが。
谷口はコツを掴むまでは苦戦するけど、一度掴んでしまえば努力でそれをモノにできるタイプなのかなぁと感じました。
もしかするとそういった能力は野球をやる中で培われたものなのかも?
確かに中学で入部してきた時の近藤は新入生としては規格外でしたし、当時の墨谷にとっては救世主でしたね~。
高校野球、硬式でのピッチングがどうなるかはとても気になります。
最初はやっぱり壁にぶち当たりそうな気もしますがどうなりますか……。
牧野はキャッチャー経験者だけど、墨高では一年生だし。
須藤、村瀬は退部したものと脳内補完しておきます。
そうなんですよね~。
牧野が一年生からあの投手陣をリードできるとも思えませんし……。
須藤と村瀬消えちゃったなぁ。
須藤は馴染んでる印象あったのにw
近藤の場合、中学野球ではコースを狙わなくても投げれば三振、打てば多少芯を外しても長打。そんな感じだったので細かいテクニックはあまり必要としなかったと思うんですよね。ところが高校レベルになるとそれだけでは通用しない、そのあたりが弱点と言えば弱点なのかなぁ?井口も近藤と似たタイプなのでよく分かるのかも知れませんね。丸井が井口を鍛えたように、井口が近藤の専属コーチみたいな役になっていくのかなと。マスクを被った井口の描写があったので井口がキャッチャーだと思い込んでたんですけど(笑)。仮にそうだとしても、左のエース井口は戦力として欠かせないし、井口が投げる時は誰が受けるのかとか。そう考えると意外な人物がキャッチャーをやるかも知れないですよね。確か牧野も墨ニではキャッチャーでしたけど元々は外野守ってましたしね。センター守ってた久保なんて肩もあるし良いと思うんですけどね。
近藤と井口、同じタイプなのでそのあたりは井口だからこそ見える弱点というのがありそうですよね~。
けんさんのコメント読んでいて、
「案外井口は近藤専門のキャッチャー」
として、近藤をリードするのかもと思いました。
他のピッチャーやあの井口のボールを受けられるキャッチャーというのが誰になるかですねぇ。
そこはほんと意外性のある選手がやる可能性も十分ありそう……。
単行本で読む派なので、こちらの感想を楽しみにしています。
近藤までくると、人材過多でストーリー立てが大変そうだなと素人考えでいたので、近藤は墨高のライバル校に入学するかも、なんて思ってました。
しかし、松川、イガラシ、井口に近藤の4枚看板は魅力的ですね。片瀬がどうしてもあぶれてしまうので、まだ2年生であることも加味して、やはりキャッチャー片瀬が面白そう。島田と久保にはやっぱり墨高の両翼を担って欲しいな。
もうひとつ気になるのは打順。墨二の時は、丸井3番イガラシ4番でしたが…とりあえず、4番は松川で3番がイガラシ。2番が島田、1番丸井、とか?続きが楽しみです。
コメントありがとうございます!
近藤がライバル校入学で対戦相手として出てくるというのも見てみたかったな~と思います。
味方だった近藤が敵に回るとどれくらい脅威に感じるのか……。
とても興味ありますからね~。
打順も悩ましいところですねぇ……。
1番から4番はおっしゃられた順番がいいかな(島田と丸井逆もアリかも?)と思いつつ、5番は誰にしようかなと悩んじゃいましたw
いつも楽しく拝見しています。
今に至るまでなお、秋の大会で初戦敗退したときのキャッチャーが誰だったのか、そして新チームで誰が担うのか、謎のままですね。
こちらのコメント欄でも色々な憶測がありますが、コージィさんも頭を悩ませているのかもしれませんね。
私は島田か、もしくは久保が抜擢されたのではないか、と予想しています。
こちらこそコメントありがとうございます!
倉橋が抜けたことで一番気になるキャッチャーがまだ見えてこないんですよね~。
確かにコージィ城倉先生もまだ決めかねているのかな?
島田か久保という予想は新しいですね!
思えば能力はあるのだから控えに回すなら使って欲しいって選手はいますから、今年は彼らの中から誰かって形になるのかなぁ。
近藤の様子に笑いをこらえきれない丸井。努力の甲斐あって好成績を収めた谷口…
みんなが少しずつ元気を取り戻していますね!
そして見た目の割にお茶花高校という可愛い名前の学校にいた生徒たち…
そして今回も「教育係の井口さん」が炸裂しましたね。しかもオチで持ってくると言う
牧野たちや青葉の仁羽にもスポットをそろそろ当てて欲しいですね
今回は驚きと明るさが見えた回でした。
なんとなくですけどチームの雰囲気も前回までより明るく感じましたね~。
青葉出身の仁羽はずっと気になってますw
早くその能力を見てみたいんですけど、入部当日以来なかなか出番がないんですよねぇ。
倉橋はどこのコーチをしてるんでしょうね?
丸井が落ち着いている分、「教育係の井口さん」(ここ重要)が楽しみで仕方ないですね
よそでコーチやるなら墨谷の様子見に来そうな気がしますがどうなんでしょう?
谷口と同じで簡単に頭から野球を切り離せるタイプじゃないでしょうし、もしかするとこっそり見てきていたり……。
あの井口が近藤をどのように導いていくのかというのはほんと楽しみです!
両者ともに昔の性格見てるから余計に面白いですよね~。
そうですね
倉橋のことだから心配でたまらないけど、「今は谷口が監督だし、丸井達もいつまでも自分に頼ってちゃ駄目だ」ってあえて行かなそうですね…
井口も近藤も丸井の指導でチームの一員としてワンマンな考えを改めたこともあるでしょうし、井口がわざわざ関西弁を直させるのも丸井よりは倉橋の影響が大きいでしょうね
谷原の村井、佐々木、専修舘の百瀬、原田はプロに行ったんですかね?
中山達もどうしているのか…
谷口の高校卒業後が監督という形で描かれたことで、ライバルたちのその後や、ライバル校OBのその後ってのも気になるとこですよね。
聖陵は出てきたけど、専修館や東実のOBはどうしているのか……。
中山や山本といった墨高OBもまた見たいですね~。
それぞれに個性ありましたしw
谷口監督がかなり話を占めていますが、課題のキャッチャーは倉橋が谷口に監督をさせた手前キャッチャーについては自分のキャッチャーとしてのノウハウアドバイスにしに来るのではないのでしょうか?
片瀬が適任なのでは?もともとピッチャーですし、楽天の田中将大のように中学時代はキャッチャーだったし、片瀬なら肩もそこそこあるでしょうし、ピッチャーも松川、イガラシ、井口、近藤の4人態勢なら片瀬なら固定出来ますし。
流石に試合で谷口が『代打俺!』は出来ないので試合は丸井、イガラシ、井口、近藤が攻撃もピッチャーも引っ張っていくのでは。
この地道な竹バット特訓も慣れてきたでしょうしね。
倉橋もそういった形での助っ人として登場しそうではありますね~。
投手陣は近藤が成長すればおっしゃる4人で回せるから、そういった意味でも片瀬キャッチャーというのはアリですね。
5人体制もしても出番少なそうですし……。
牧野はまだ無理そうだしなぁ。
プレイボール2が終了してキャプテン2が継続作品となったので、谷口は脇に回るのかと思いきや、今のところ主人公的扱いですね。谷口、イガラシ、近藤の中に入ると丸井はちょっと損な役回りになりそうです。キャプテンなんですけど、オリジナルでも短期でイガラシと交替したように主人公としては弱い感じです。谷口が監督を務める一年間に限定して物語を展開するのでしょうけど、これで甲子園出場まで持っていけるのでしょうか。谷口の手腕と近藤の成長に期待しています。
谷口を主人公として近藤の高校野球での成長を描いていくのかなという感じですね~。
確かに丸井はこの中に入るとキャラとしてもキャプテンという立場(谷口監督が上にいるので)としても損な役回りな気はします。
おそらく谷口の監督生活一年間が語られていきそうですが、現在の進行具合を見ているとスローペースで展開していくのかなぁと感じます。
序盤は試合よりも新入部員の育成やチームをまとめる部分メインなのかな?
ほんとおっしゃる通り、谷口の手腕と近藤の成長どちらも楽しみな部分です!