第84話「切り返しができないの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
谷原戦は墨谷3点リードで5回裏2アウト。
8打席連続ヒットがかかる谷口の第二打席。
(さっきの打席はどこか見降ろした態度を取ってしまったが…)
(もう見降ろさない)
マウンド上の村井はここまで変化球を1球も投げていないが、ここはその変化球を使ってでも全力で連続ヒットをストップさせようと考える。
その初球。
「わあ! 当たる!」
と、谷口が思わず後ろへ飛びのくような内角へのボールはククっと曲がってストライク。
(シュート!?)
(しかもこれがストライク?)
(村井が初めて変化球を投げた!)
(それも恐ろしい曲がり方だったぞ!)
続く2球目。
今度は外角ボール球だと思ったところがこれも大きく曲がり、これまた谷口が飛びのいて尻もちをつく大きなカーブ。
これはボールとなり1ストライク1ボール。
(こんなカーブ見たことない!)
(こんな変化球が投げられるのにここまで村井は投げてこなかった。なぜだ!)
ここで谷口は考える。
この東京大会は村井にとって”練習”であり、ストレート一本でどこまで行けるのか自分を試しているのかと。
そしてこの打席は自分の記録がかかっているので変化球を混ぜてきたのではないかと。
3球目。
(これはどっちに曲がるんだ!?)
だが今度は曲がらない。
振り遅れた谷口のバットが空を切り2ストライク1ボールと追い込まれる。
ここでタイムをとって打席を外す。
(あんな変化球を見せられたあとでストレートを投げられたらどうにもならない)
(どっちにしろ何が来ても振り切れない。ワキをしめてこんなカンジで行かないと)
打席に戻って4球目。
シュートになんとかバットを当ててファール。
(おいおい。村井のシュートに当てやがった)
驚く捕手佐々木の次のサインはカーブ。
これは見逃してボールとなり2ストライク2ボール。
5球目。
「ひッ」
思わず声をあげる谷口。
村井のボールは完全に自分の背中に向かってきたが、それがまたまた大きく曲がって自分の前を通過しボール。
(あそこからキャッチャーミットに収まった!)
避けることすらできなかった谷口だが、ここまでの変化球を見て、あることに気付く。
それは変化球を投げる時は村井の腕が下がるということ。
しかし、その後ボールが右に曲がるか左に曲がるかがわからない。
大雑把に初速があればシュートと思えばいいかと考えるが、ストレートと2つの変化球。
それを瞬時に判断しなければいけない。
村井が6球目の投球モーションに入る。
(どっちだ!?)
村井の腕に神経を集中させる谷口。
(上!?)
(ここに来てストレート!?)
(速い! とてもじゃないが間に合わん!)
(三振する!)
村井の内角高めへのストレートに、谷口はイチかバチかグリップエンドに当てようと考える。
その考えとおりにグリップエンドに当たった打球はサードへの小フライ。
しかし、
(小フライってよりハーフライナー!)
(しまった。切り返しのタイミングを失った! 逆シングルできない!)
慌てたサード華村はグラブではなく素手でボールを捕りに行こうとジャンプ。
「無理して触るなサード! ファールにしろ!」
佐々木が叫ぶがすでに遅く、一度は素手で触った打球がその手をスルっとすり抜けてサード後方へ転がっていく。
打った谷口は迷うことなく1塁を蹴って2塁へ向かうも、捕球したショートからセカンドへボールが送られてアウト。
だが、記録はサードエラーではなくヒットとなり、8打席連続ヒットを達成する。
もしサードがグラブに当てていればエラーだったが、素手だったので”体の一部”と見なされてエラーにならなかった。
悔しがる華村をなだめる村井は、自分達にも準決勝のプレッシャーはあり、それが華村の判断力を惑わせてしまったのかと考えていた。
そして佐々木は、形はどうあれ、変化球を混ぜた村井の投球からボールを前に飛ばされた事に表情を曇らせる。
一方、守備につく墨谷ナインを見たスタンドの田所が、その足取りの重さに気付く。
さらに先ほどの谷口の走塁も試合前半と比べてスピードが落ちていたと。
「まさか……疲れが出てきた?」
ここで第84話が終了となります。
想像していたよりも村井の変化球がとんでもなかったですw
変化球の時に腕が下がるという、とてもわかりやすい見分け方が発見できたのは収穫でしょうか。
でも、ここにきて墨谷に疲れが見え始めたのは不安なところです。
それにしてもこんなわかりやすい欠点を村井ほどの投手がなぜ修正しなかったのかなと思ったけど、今まではその必要がなかったほどの投手って事ですかね。
次回はいよいよ谷原打線が火を噴くようですがどうなりますか。
・第80話「エースが出てくる前に…の巻」
・第81話「センバツに行った奴らのレベルの巻」
・第82話「好発進!松川の巻」
・第83話「谷原のマネージャーの考え方の巻」
・第84話「切り返しができないの巻」
「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
谷口は連続安打で何回アウトになっているんでしょうね(笑)
力の劣るチームがこんなミス繰り返してたら普通は勝てないんですが。
コンディション不良といい、
こんなので谷原のような強豪に勝っても、
納得し難いなぁ…
確かにこれまでなら格上の相手チームが油断して犯すミスをこちらがしていますねぇ。
谷原ほどの相手となるとこういうミスは致命傷な気もしますが……。