第20話「肉と米の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!


野球部員の体を大きくするために、お花茶屋高校の野球部監督の杉本先生が校長に、選手の身体を大きくするために肉と米、炭水化物とタンパク質を摂らせたいので、部費の予算を増やして欲しいと直談判したものの、増やしてはくれたが微々たるものだった。
そのため肉か米どちらかを取るしかなく米を取った。
体を大きくする要素は脂肪と筋肉。
米は脂肪に効く。
肉は文字通り筋肉に効くのだが、予算の都合でそこだけは自宅でたくさん摂ってくれという話になった。

夜の墨高野球部の部室。
谷口は杉本先生から聞いてきた話を丸井に聞かせていた。
そして、我がチームも7月の夏の大会までに全員3キロアップを目指してみてはどうだろうかと提案する。
賛同する丸井に谷口は、杉本先生から聞いた
「脂肪だけで太っては絶対ダメ。まずは筋肉を太らせないと!」
「タンパク質(肉)を摂ったら筋トレ。筋トレは意識的にいっぱいやった方がいい」
「すると筋肉が太る。それだけで体重は増えてくる」

そうすると野球部員は比率的に筋肉は増えるが脂肪は減ってくるのだという。
さらに
「そこに白メシを詰め込んで脂肪をまとう。こーゆー体重の増やし方をしないとダメ」
なのだと。
その話をなんとなく理解した丸井は全面的に賛成するものの、肉と米の調達はどうするのかとたずねる。
すると谷口は毎月の監督代から充てるという。
「しかしそれは谷口さんの予備校代なんじゃ…?」
と心配する丸井に、谷口は格安で譲り分けてくれる店があると説明。
実はお花茶屋高校からの帰り道、リカとサチ子が自分達の父親に掛け合って、余った米と肉を格安で譲ってくれる事になったらしい。
その様子を話す谷口にまだ少し戸惑った感はあるものの、予算の心配がないと知った丸井は大乗り気。
ただ、肉と米ばかりになるとバランスが悪いような気がするとも話し、野菜は各自冷蔵庫の余り物を持ってきてもらうことにする。

「じゃあこれからはメシ炊き係と調理係が必要になってきますね」
話を進めようとする丸井だが、
「これは重大な決め事になる。部員全員に一回はかってからでないと…」
と話す谷口。
丸井は谷口監督が決めた事なら全員従って当たり前だからその必要はないというが、これは単に野球だけのことじゃないからそうはいかないと谷口が諫める。
「うッ…そうですね…。民主的にやらないとマズイか……」
「うん。そうそう。民主主義民主主義!」
「デモクラシーの時代ですもんねぇ…」

頬を赤らめてぎこちない笑顔で席を立つ丸井と、
「はァ? 何言ってんだ? オマエ…」
と呆れる谷口だった。

翌日。
部室に集まった部員たちに
「夏までに各自体重3キロアップ!」
を説明する谷口。
「そういうことは僕も以前から考えてました」
と話す島田や、
「体重を増やすことは理にかなっていると思う」
と話す松川。
他の部員たちもこの計画に賛同。
その様子を見ていた丸井は、
(くわ~~。これがデモクラシーか~~)
と感動し、半田は、
(なんか分裂していたようなチームでも……谷口さんの意見ならみんなまとまる)
と感じ、イガラシは、
(く~ッ。谷口さんも律儀だね~~)
(そんなの何も言わずただ実行してくれりゃみんな従いますよ~~)
(それが監督と選手ってもんでしょうに)

と笑顔でその場を離れた。
賛同を得た丸井が、
「そんじゃ飯炊き係と調理係だな」
「これもデモクラシーで順番制にしますか?」
と話すが、谷口がそれはもういると答える。

学校の調理室を使って米と肉を調理して部室へと運んで来たリカとサチ子。
谷口は丸井と半田に、彼女たちが予備校の学友だと説明。
その後、全員で米と肉を食べる間、リカとサチ子はおかわりをよそう手伝いをしながら、お花茶屋高校での出来事を思い出していた。
それは杉本先生にお手本を頼まれて、お花茶屋野球部の前でフリーバッティングをした姿だった。
みんなが見守る中、ヘルメットをかぶり、バットを持って打席に立つ谷口。
(き、”金属”か…。まあここはネット高いから出ないか……)
柵越えしないか心配しつつバットを構える谷口。
(これがあの谷口選手? うわ~緊張しちゃうなぁ~~)
緊張するピッチャーの初球を軽く左中間へ打ち返した谷口だが、誰もが想像する以上に打球が伸びる。
(うわッ! 出るなよ!)
打球はなんとかネット直撃で済んだものの、その飛距離に杉本先生や野球部員は驚く。
その後も簡単に打ち返し続ける谷口の姿が、リカとサチ子の脳裏に強烈に残ったらしい。
(ア、アレ…すごかった……)

フリーバッティングが終わった後、谷口が墨谷の監督だと知った杉本先生は、
「じゃあおれは今まで敵にペラペラと色々しゃべってたわけ?!」
と大慌て。
しかし、後ろで聞いてたOBがぼそっと、
「監督……ウチが墨谷の敵っスか?」
「残念ですけど…」

と呟いて杉本先生も言葉を詰まらせてしまい、最後は
「はは。もし本番で当たったら……お手やわらかにね…♡」
と話すのだった。

ここで第20話が終了となります。

感想

今回は肉と米とデモクラシーが印象に残った回でした。

お花茶屋高校の校長って見た目や喋りながら鼻毛抜く癖とかそのままですけど、やっぱり杉本先生の叔父なんでしょうか
そうすると隅高はどうなったのかなと思ってしまいますが、そこはあくまで同名の違うキャラって設定かもしれませんね。

そしてコメントで予想されていた方もいた通り、リカとサチ子が墨高野球部の調理係という形でやってきましたね~。
以前に丸井は鈴木に対して、谷口さんが恋なんてガラかって言ってたけど、この状況を見て何を思っているのか気になりますw

次回は
『墨谷の練習方法に異を唱える者が現れた』
とありますが、はたして誰なのか。
こちらも気になるところです。

関連リンク

・第16話「気持ちいいキャッチボールの巻」
・第17話「成長した浪人1年生の巻」
・第18話「教えてやる! 弱点をの巻」
・第19話「研修! 谷口監督の巻」
・第20話「肉と米の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ

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12 Thoughts on “「キャプテン2」第20話感想

  1. 和合中川 on 2021年8月25日 at 10:10 PM said:

    異を唱えるのは近藤あたりの気がします。

    近藤が中学3年時にやった練習方法の経験を高校で「効率問題」など言ってきそうな気がします。

    太らせるやり方に異を唱えるのはいますかね~
    いたとすれば選手ではなく、保護者あたりとか。。

    • キャプテンとしてその方向でやってきた近藤だからこそな感じもしますね~。
      近藤だったら思ったことをはっきり谷口にも言っちゃいそうですし。

      保護者という線は考えていませんでしたが、普通にその可能性もありそうですよね……。
      真っ先に松尾母が浮かんじゃいましたが、松尾はまだ中学三年でしたw

  2. ごんた on 2021年8月23日 at 11:16 PM said:

     体力作りの食事法をある意味敵であるお花茶屋高校から聞き出してしまうとは、なんとも・・・スパイのイメージがついてしまった。お詫びに今度練習試合でも組んであげれば?てか彼女二人(リカとサチ子)が墨谷に潜り込んだ時点で練習内容見られるわけだからお互い様かな。
     しかしこれ、アイデアとしてはいいけれど時期的にどうかな?去年の秋からならよかったけど、4月ではちょっと。1.2年は来年もあるからともかく3年は時間がないでしょう。強豪校は秋から翌年春までの間は基礎トレーニングを重点的に行いパワーアップを図り体力の完成を目指す時期です。この冬のトレーニングによって成長度がかなり変わってきます。とくに変化が大きいのは投手。走り込みと筋力アップで投球の精度が上がってきます。実際秋の大会でかなり打ち込まれてコールド負けしたチームの投手が冬場を超えてかなりの好投手になった例もあります。それ以外にも打撃の飛距離が伸びたとか。つまり秋の段階と冬を乗り越えた春以降では全然別チームになることがあります。ですからこういう食事方法は昨年秋頃もってきて基礎トレに役立ててほしかったですね。そしたら3年生も間に合ったのに。
     ついでに谷口が3年の4月に谷原に練習試合で大敗したけど、あれが2年の秋の時点だったら、その後の冬場のトレーニング次第で急成長を見せ、谷原打線を抑えることが出来た、というストーリーを描くことができたのでは。2年の秋ならまだ間に合いましたよ。しかし4月じゃねえ、打たれた内容もコントロールが悪くて甘いコースに投げて打たれたとかじゃなく、明らかに力量が足らずに打たれたようだから、ちょっと短期間で勝ちにもってくのは難しかったね。

     あと話変わって、この漫画は春季大会ってのはスルーなのかな?毎年春の選抜終わったあと、関東大会まで続く春季大会ってのがあるのですが、甲子園出場には直接は関係ないけど、夏の予選のシードを決める大会ではあるので少しは重要かな。ちなみに今年の実際の大会は専大松戸高校が関東大会優勝、準優勝は関東一高でした。その大会を通じて現在どの高校が強いのかってのがわかるのですが参加してないのかな。つうかこの漫画では現在どの高校が強いって話まったく出てこないから謎だらけ。東京からの選抜出場はどこ?第一シードはどこ?谷原は今年は強いの?

    • 帰還的に急ごしらえな感は否めませんね~。
      確かにこの短期間でしっかりとした体作りができるのかなとは思います。
      無理した結果問題が起こらなければいいですが……。

      春季大会やライバル校関連の情報って出ませんね。
      特に谷原はあれからチームがどうなったのか、東実もどんなチームになっているのか気になります。

  3. あれく on 2021年8月19日 at 12:39 PM said:

    40年前の時代考証だの現代的な捉え方だのいろいろご意見あるようですが、女子がストーリーに絡んでしまった時点でどうかと思います。まさかここまで深く食い込んでくるとは思いませんでした。
    女っ気がないのがこのシリーズの特徴であって(ただし母親除く)、多くの旧作ファンがここに触れています。その最大のストロングポイントをいとも簡単にぶち壊してしいましたが、ちばてつや風に画風を寄せた女の子だからって免罪符になるのでしょうか?ここから先どう話にケリをつけるのでしょう。
    コージィ城倉さんの作品は数作しか読んでませんが、彼の描く女の子と女の子がストーリーに絡む描写は、どこか中途半端で蛇足な印象だけが残っています。
    予備校の谷口の隣がちばてつや風の女の子だったので、なんとも言えない不安感がありました。お願いだからストーリーに絡ませないで欲しい、という願いは案の定潰えてしまいました。
    プレイボール2からキャプテン2と、読むのを【楽しみ】にしていましたが、最近では【怖いもの見たさ】【今週こそ女子いなくなっていますように】になってます。

    • 確かに過去「キャプテン」「プレイボール」において女性キャラが絡んできたことはなかったので、
      その点に関して不安視する意見や感想があることはよくわかります。
      違和感覚えるファンも多いだろうなぁと感じていました。

      私自身も過去のキャプテンとは違う、こういった描写には先の展開に不安を覚える部分もあるのですが、
      今は今回のエピソード絡みのゲストキャラと考えて読んでいる感じですね~。
      まぁ予備校の学友という紹介までしたのでこの先も登場はしそうですが……。

  4. けん on 2021年8月18日 at 9:24 PM said:

    米と肉を格安で譲ってくれるんなら、墨高も監督代とは別に部費を少し増やしてくれたらいいのにって思いました。それが無理なら田所専務あたりがドンと出せばカッコいいですよねw。
    校舎うらのイレブンは確か隅谷中が舞台で、杉本先生はそこのサッカー部のコーチでした。そして校長先生は杉本先生の叔父さんという設定でしたね。中学の校長と教師がなぜお花茶屋高校にいるのかという疑問は残りますがw。
    それはそうと、墨高の練習に異を唱える人物とは、近藤パパか相木のような気がします。いや、近藤パパはないかな?相木は墨谷ニ中の練習法に異を唱えた実績がありますし、体を大きくしてパワーを付けるのも大事ですが、そうなるとどうしてもスピードが鈍ります。そのあたりを元サッカー部キャプテンの相木がアドバイスするんじゃないでしょうか?逆に近藤は減量したほうがキレが増して良いと思いますけどね(笑)。

    • 墨高野球部は実績もあるし必要分の部費は増やして欲しい気はしますね~。
      田所さんは言えばなんとか力になってくれそうな気も……そこまでの余裕はないかなw

      私もようやく校舎うらのイレブン読んだあとだったので、どうして校長と杉本先生がお花茶屋にいるんだろうと不思議に思いました。
      そこはファンサービス的な登場で深く考えない方がいいのかな?

      確かにサッカー部だった相木からするとパワーがついてスピードが落ちる点には疑問持ちそうですねぇ。
      考えたら近藤と井口はこれ以上体大きくしなくてもいいようなw

  5. ベレーナ on 2021年8月18日 at 12:40 PM said:

    異を唱えそうなのはイガラシか近藤ですかね?そして丸井、井口が怒る

    大穴で様子を見に来た倉橋か田所のような気がしますね

    丸井の谷口絶対主義はらしさが戻ってちょっと安心しましたが、諭されて民主主義でやらなきゃと思い直すのは成長ですね

    井口はんは、出番なしかな?

    • 私も次回倉橋あたりが様子見に来て何か言うのかなと最初に思いました。
      なんとなくイガラシはあの様子だと異論はなさそうだったけど近藤はわかりませんね~。

      丸井はほんとあそこで「文句は言わせない」と押し通すのではなく、ちゃんとみんなに確認取ったのは成長したなと思います。
      でも丸井らしさは健在なので和みましたw

      • ベレーナ on 2021年8月18日 at 6:19 PM said:

        そうですね。松川が提案に賛成したのは合理的を重視する倉橋の影響もありそうですね(アニメ版や原作中期までの設定通りであれば副キャプテンは松川一択と言えるでしょう)

        やはり今までキャプテンが監督を兼任する必要があった分、かなり負担も減って楽になったでしょうね。

        あと、井口はんではなく「さん」でしたね。二中の生徒をひいきするとの声を心配した丸井が井口に一年生の教育係を裏で説得した説はどうでしょう?

        • 案外松川はチーム分裂の際にも倉橋に相談したのかな~とか考えちゃいますね~。

          言われてみるとキャプテン一人にのしかかっていた責任や重圧も監督という存在ができた事で負担はかなり減ったんでしょうね。
          上に監督という立場がいるとキャプテンとしてやりにくくないのかなと思いましたが、谷口監督だからこそ丸井には丁度いいバランスなのかも?

          井口はんと言うと怒鳴られますからねw
          井口を丸井が説得した説、今の成長した丸井だったらそれもありそうだなぁと思いました。

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