第34話「モウちゃんはがんばっていたの巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
早めに練習を切り上げて体を休めるよう指示した谷口だが、グラウンドに残って自主トレを行っていた丸井とイガラシを一喝。
「自分の体力と相談しながら調整していかなきゃダメなんだ!」
という谷口の言葉に
「あ、あの……体の大きい奴って…井口のことを言ってるんですか?」
と返すイガラシ。
「井口と比べられてるような気がする」
「体の大きい井口に比べたらチビのおれはそんなに頼りないですか?」
言いにくそうに話すイガラシに谷口も思わず言葉を詰まらせてしまう。
子供の頃から知っているライバルであり、誰よりも井口の才能は認めているものの、
「アイツより劣っていると思われたらおれ……」
と言ってうつむいてしまうイガラシ。
谷口はその肩に手をやり、
「イガラシ……野球選手としてはオマエの方が上だよ」
と声をかけ、イガラシよりも2年長く高校で硬式野球をやっており、その経験であくまで一般論を言っただけだから誤解しないでほしいと話す。
そして、イガラシと井口、もし2人に周りから優劣の評価が付けられるとしても、それはもっと先の話だと。
それを聞いたイガラシ。
そばで聞いていた丸井。
そして谷口と、3人それぞれが何とも言えない表情で沈黙する中、
「いえスイマセン。キャプテン」
「ナマイキ言いました」
とイガラシが謝り、この話題は終了となる。
谷口は次の聖陵戦について、去年の夏は勝利したものの、今年はお互いチーム事情が違うとし、万全の体調で臨んでほしいと2人に伝えて帰ろうとする。
が、
「それはそーと……キャプテンはなんで今頃グラウンドに戻って来たんですか」
と丸井に聞かれての谷口の答えは?
「あ、ああ……ウチに居てもヒマなんで走ってた」
思わずずっこける丸井と声をあげるイガラシ。
「か、体を休めろって言ったのはキャプテンなのに……」
「は、はは。そーかそーか。スマンスマン」
イガラシの批難の声に、バツが悪そうに頬を赤らめて謝る谷口。
(まったくもう……)
(体を休ませることができない人達ばかり…)
谷口のあとを丸井とイガラシそれぞれが複雑な思いで歩く。
だが、
(イガラシのプライド……)
谷口にはイガラシの言葉が気になっていた。
場所は変わって聖陵高校グラウンド。
OBとなった西田や岩本たちが見つめる中、広瀬という打者がバント練習でキャッチャー前へと転がすもバント失敗。
それを見た西田が
「あのな……違うんだよ! 広瀬!」
と怒鳴りながら広瀬に歩み寄る。
キャッチャー前にボールが落ちた場合、バットを投げて走るのではなく、キャッチャーに捕られそうになったらその場にバットを落とせと指示。
そうする事で少しでもキャッチャーにボールを捕りづらくさせろという。
「これはけっして「守備妨害」とは取られない」
と。
続く打者は右中間を抜ける長打を放ち3塁打。
ところがここでも
「おい! 違うんだよ!」
西田の怒声が飛ぶ。
その矛先は打者ではなく、中継へと走ったファーストのモウちゃんへと向けられた。
「中継はセカンとショートがやるからオマエは必要ねえんだよ!」
「そんなことよりオマエはボーっと突っ立ってろ!」
思いもよらない指示に
「つ、突っ立ってろ……?」
「ど、どこに……っスか?」
と尋ねるモウちゃん。
西田が指示した場所はランナーがファーストを回ってセカンへ向かう走路。
そこにボ~~っと突っ立っていれば、よけようとしたバッターランナーのスピードが一瞬緩んで2塁止まりになるかもしれないといい、これも「走塁妨害」とは取られないと話す。
「ちょっとは知恵を絞ってそのズー体がでけえのを生かしたらどうだ」
「オマエはウドの大木かッ!?」
(ウ……ウドの大木……)
西田の言葉に一瞬怒った表情を見せつつも顔をそむけて傷ついた様子のモウちゃんだが、その一瞬の変化を西田も見逃さない。
その後、
「ホントに……あの先輩のセコイ野球にはついて行けないんだよね。広瀬」
と、そばにいる広瀬に愚痴るモウちゃん。
ここで昨年夏の墨谷戦で西田がバックホームするランナー相手にやった行為の回想シーン挿入
「セコイ野球やってたから去年の夏墨谷に負けちまったんだよ」
愚痴の止まらないモウちゃんに広瀬も、
「モウちゃん……わかってるな? おれ達は正々堂々とした野球をやるぞ」
と誓う。
2人がそんな話をしている向こう側では、刈谷という選手が西田に対して
「次の墨谷戦なんですが…大内(モウちゃん)を外して戦おうと思ってまして…」
と提案。
それを聞いた西田はちょっと驚く。
今も西田たちの前でバッティング練習を行い、フェンス直撃の打球を放ちまくっている2年生の大内猛。
通称モウちゃん。
体重は100キロという巨漢。
西田の勧めで1・2回戦は試合に出したそうだが結果は13打数1安打。
「確かに大きいのは打ちますが確実性がなさすぎます」
とし、さらに刈谷はセカンドの広瀬も外したいと言う。
広瀬の2試合での成績は14の2。
その結果に本来のレギュラーである3年生のファースト荒井とセカンド小谷が腐っているらしい。
試合で3割以上打ってもらわないとレギュラーに引っ込んでもらう理由として弱いと言う刈谷に、
「レギュラーの中に…ひとりかふたりの2年生が入ってる方が理想的なチームだ」
「チームとしての連続性…伝統が引き継げる」
と返す西田だが、
「それは先輩の理想ですよね」
「今は僕達(3年)の時代です!」
と負けずに言い返す刈谷。
するとまたもバッティング練習で長打を放ったモウちゃんが1塁から2塁へ向かおうと走っていたところ、ファースト荒井がモウちゃんに足を引っかけて転倒させてしまう事態が発生。
派手に転んだモウちゃんに驚く西田たちOB。
「荒井さん!」
わざと足を引っかけたのがモウちゃんにもわかったようで荒井の名を叫ぶが、
「へへへ」
「『先輩の教え』『先輩の教え』よ……」
と、ワリィと謝りつつも当然だと言わんばかりの荒井。
その様子を電柱の影から双眼鏡で偵察していた半田。
「今年の聖陵は……チーム事情がフクザツだ」
と分析。
ここで第34回は終了となります。
前回の予告から
「一体誰が登場するのか?」
と、あれこれ予想していましたが、登場したのはモウちゃんこと大内猛と広瀬。
彼らは
「モウちゃんは強かった! (ジャンプコミックスセレクション ちばあきお名作集)」
という、ちばあきお先生の別の作品のキャラらしいですね。
恥ずかしながらこちらの作品は読んだ事がないので知りませんが、せっかく登場したのだからどのような物語なのか気になるところです。
でも、「キャプテン」に登場した誰かだろうって思っていたから、さすがにこれは予想できませんでしたw
聖陵の西田と、田所さんとの違い。そのあたりもマニアとしては面白いポイントですね^_^
あー、そういう対比も面白いですね~。
試合でもそういった描写が入りそう。
墨二の3人のキャプテンと、モウちゃんと広瀬くん。どんなカラミになるのか楽しみですね^_^
原作知っているとそのあたりの楽しみも大きそうですね~。
この機会にちばあきお先生の他の作品も読んでみたいな。
ちばあきお版大甲子園。
確かに言われればそっちの方向に進む可能性も……?
もし他の作品からもキャラが登場するならその原作も復刻して欲しいなぁ
まったく想像できなかったですね。
一度読んだ記憶があるのですが、セレクションを持っていないので確認が出来ません。うーん…同時代だったのかどうかも良くわからないところですが、半ちゃんが同世代でイガラシもそこに既に出てきているので、このあたりの時系列はほとんど同じ時期ということなんでしょうね。
「あの男」が少しばかり誇大広告だったかなぁ、という印象ですかね。
普通に「キャプテン」に登場した誰かだとばかり思っていましたからね~。
完全に予想外でしたw
あの男はモウちゃんの方だったんですか。
はじめは西田の方だと思っていました。
私は原作の方を知らなかったので完全に予想すらできませんでした……。
まさかモウちゃんが聖陵で野球やってるとは驚きでした。しかも、墨二時代に谷口君たちと面識があったんですね〜。
もしかしたら、これからトーボくんとかチャンプの太一とかも登場したりするのかな?