「天外魔境2」に登場したカブキ団十郎を主人公にしたロールプレイングゲーム。
あんまり覚えてないけどカブキって人気あったんだっけ?
●ストーリー
京で役者としての日々を送っていたカブキのもとに兄弟子オロチ丸から手紙が届いて会うことになる。
二人で宴会を開いていた最中、突然女たちが消えてしまい不気味な建物が出現。
大門教の仕業であることをオロチ丸から聞かされたカブキは、女たちを取り戻すために旅に出る。
入りは多少強引だけど、そこはカブキというキャラクターでカバーといった感じ。
旅は京から始まり、海を越えてロンドンへと続く。
ちなみに京のマップは「天外2」の時よりも広く描かれている。
キャラクターは主人公のカブキ、阿国、世阿弥、プッシュ富士山の4人。
確か最大PT数は3人までだったかな。
ストーリー進行で入れ替わる。
●ゲーム内容
演出関連は「天外2」と比べると派手になったが、システムはオーソドックスなエンカウント式のRPG。
基本部分は「天外魔境2」を踏襲しているが、戦闘はサイドビューによって敵だけではなく味方キャラの動きも楽しめるようになっている。
前作までがドラクエ的な戦闘画面だったものがFF的な画面になったと言えばわかりやすいか。
(ミュージカル要素)
ストーリーの節目に登場するガープ教四天王は、登場してからいきなり戦うのではなく、彼らは各々をイメージした歌を歌いだす。
本作において広井氏が入れたかった要素だったそうだが、一応イベントシーンへと切り替わって動きもあるものの、個人的には正直あってもなくてもどうでも良い要素に感じた。
カブキが主人公という事で派手さを全面に押し出す形であれば、もっと違ったやり方もあったように思える。
それぞれの曲はやたら印象に残ってるんだけどね。
(読み込み時間)
エンカウントから戦闘画面までの切り替えが速かったが、本作は若干の間がある。
現在のそれらと比べると速い部類に入るのだが、まだまだ当時はカートリッジROMがメインだった時代。
それだけに前作より長い読み込み時間は気になった。
(サウンド)
田中公康氏作曲によるBGMはどれも秀逸。
私は「倫敦をいく」(ロンドンでのフィールドBGM)が大変お気に入り。
外伝という位置付けである事を考えても、「まぁこんなものかな」というのが率直な感想。
記憶が曖昧であるが当時は確か「人気のカブキ団十郎が主人公!」と謳っていたが、「天外魔境2」をプレイした人の中にそれほどカブキが好きな人がいるとも思えなかった(ファンの人ごめんなさい)。
ゲーム内容も特に特筆すべき点はなく、ビジュアルシーンを多用した演出の派手さくらいか。
発売前は「あの天外2以来の新作が遊べる」ってかなり期待しただけにちょっと残念だったな。
あと、ウリの一つである牧瀬理穂をメインヒロインの声優にあてたのも完全な失敗。
今のゲームやアニメもタレントが声優を担当することって多いけど、やっぱり専門に任せるべきだと思う。
とまぁ、あんまりオススメできる内容でもない。
「天外」シリーズが好きな人や、「天外2」を遊んだプレイヤーなら、まぁそれなりに楽しめるかという感じ。
音楽だけはオススメ。