
第128話「青い炎の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
墨谷対御法島の試合は1対1のまま延長戦に突入。
12回表、御法島に1点を取られはしたものの、近藤がその後も落ち着いたプレーで抑えて12回裏を迎えようとしていた。
公園では谷口と近藤の父親が二人で煙草を吸っていた。
すっかり日も暮れて辺りも暗くなっている。
「しかし甲子園で3回めのナイターか……」
谷口の父ちゃんが呟く。
「まさか3回もナイターをやるとは思ってもみなかった」
近藤父も続けるが、そこで谷口の父ちゃんは考える。
「ん…。しかしまてよ」
「御法島ってナイターやってましたっけ?」
と。
「さぁ…。ちょっとわかりませんねぇ…」
近藤父が答える。
「もしやってなかったら…。だったらナイター慣れしている墨谷」
「まだ逆転できる可能性もあるのでは…」
そう続ける谷口の父ちゃんだが近藤父は、
「え?」
「う~ん。それはあまり関係ないような気もしますが…」
「御法島は歴戦の強者です。ナイターが初めてでも屁とも思ってないでしょう」
と、そこにはあまり期待できない様子で語った。
照明が灯った甲子園。
御法島の藤尾監督が見上げる。
「照明がくっきりしたな…。甲子園は白とオレンジの電球にプラスして青白い水銀灯も混ざっている」
「言わゆるカクテル光線や…。甲子園はキレイや……迫力ある」
「そしてこの完全なるナイターになって…ようやく試合が終わる」
マウンドには御法島のエース一色。
(ようやく試合が終わる)
(長かった)
(まさか墨谷相手に12回もやろうとは…)
(そのお陰でこんなプロ野球みたいなナイター! まぁキレイやからええけど………)
(明日(準決)の相手は徳島の池谷高校や)
(第1試合やから開始は11時(起床は7時)。まだ第2試合やったら2時間寝坊できたのに…)
(きびしいでえ…)
(でも……それが甲子園や!)
(弱い奴は味わえん世界…)
そんな事を思いながら投球練習を開始する。
一方の墨谷は円陣を組む。
「12回まで来て2対1…。おれは監督としてみんなを鼓舞しなければならない」
「「まだまだ行ける!」「絶対逆転するぞ!」なんかそんな励まし言葉がむなしい気がしてな…」
「だってこうなった今でも心底負ける気がせんのだ。無理矢理に言葉をひねり出す必要がない」
そう話す谷口。
(谷口さん……)
その様子を見つめる選手たち。
「それには……強力な理屈があるんだ」
「ウチは3回めのナイター。御法島は初のナイター」
「そうだよな半田…」
谷口の問いかけに半田は、
「はい。御法島のこのチームは春・夏通じてナイターはやっていません」
と答える。
「ちょっと非科学的な理由かな?」
とナインに尋ねる谷口。
「い、いや……」
としか答えられない選手たち。
そして谷口は続ける。
「でもなんかこの日のために神様に2回もナイターをやらされたような気がしてな…。おれだけじゃないと思う。こんな風に考える人はいると思う。日本中のどこかには……」
12回裏。
墨谷の攻撃は8番島田から。
(そうだ! 3回めのナイターなんだ! コッチに利はあるんだ!)
打席で気合いを入れる島田。
(この回はなるべくタマ数は投げたくない。どんどんストライクを取ってくぞ)
そう考える一色の初球ストレートを見送って1ストライク。
2球目も見送り2ストライクとなる。
(試合を終わらせにきている)
と感じる島田。
(終わらせる!)
3球目。
(ナイターのボールの見え方は……)
(デーゲームとは違う!)
(おれ達には”経験”がある!)
引っ張った打球はショートゴロとなる。
(とは言っても簡単に打てるもんじゃない)
島田の俊足も一歩及ばず1アウト。
(それに今までよりちょっとボールに威力があったぞ…)
そう感じた島田。
「人間”先”が見えたら力が出せる」
「一色め…。ある意味今日一番のボールだったぞ…」
とスカウト陣が口にする。
打席に9番近藤が向かう。
「近藤ーーまだ終われないぞーーー!」
「お前が出塁してこの試合を勝ち切ってみせろー!」
沸き上がるスタンド。
(すごい。極限の応援や)
その盛り上がりを感じながら近藤が打席に入る。
(お願いします)
と、心の中で呟く。
「あとふたり!」
「かっせかっせ近藤!」
両スタンドからの歓声が響き渡る。
「さぁとうとう準々決勝も大詰めを迎えました!」
と伝える実況。
「いや~~この近藤クンがこの試合の主人公でしたよ」
「最後にバッティングでも一矢報いてもらいたいものです」
と話す解説。
(ワイは以前のナイター………その時は引っ込んでいた。つまりナイターお初…)
(一体どーゆー見え方をするんや?)
緊張の面持ちで初球を待つ近藤。
初球。
「ん」
呟く近藤。
ストレートを見送って1ストライク。
(やはり……ナイターはボールの見え方が違う)
(心なしか速く感じた)
2球目も見送って2ストライク。
(明らかに変な感覚や! ぜったいボールが速く見える!)
動揺する近藤。
「遊ぶ気ゼロや。一色の奴、もう一球でも多く投げたくないんや」
と話すスカウト。
「近藤! 次もストライクのコースに来るからな!」
叫ぶ谷口。
(遊ばない!? 確かにそんなカンジはする!)
3球目。
(やっぱりストライク! これは打たなくちゃ!)
打ちにいったがボテボテのキャッチャーゴロとなりアウト。
(うわ~すごい打ちづらかった…)
(いや、とゆーより最後やからギアを一段階上げとるんや)
と感じる近藤。
甲子園に「あとひとり」コールが響く。
(正直……早く宿に帰って明日のために1分でも早く寝たい)
と思う一色。
「一色よ…。明日の池谷戦はこんなピッチングしとったら打ち込まれるでぇ」
と話すスカウト。
そして打席には1番丸井。
「さぁ墨谷は最後のバッターになるか? 主将の丸井クンがバッターボックスに入ります」
そう伝える実況だが谷口の考えは違う。
「これは丸井では終わらんな…」
「アイツのエラーで勝ち越されたんんだ。ここはくやしいから根性を見せてくるぞ」
「出塁する可能性は8割以上と見た」
まだまだ余裕の表情で語る谷口に半田は、
(谷口さんはどこまでもプラス思考だ…)
と思う。
「問題は丸井が出塁したあとの2番片瀬のとこだな…」
と口にする谷口。
その片瀬もまた、
(丸井さんはここからでも絶対出てくれる。問題はおれなんだ)
打席に立つ丸井を見て、
(無表情ながら青い炎が燃えている)
(際どいとこが来たら当たる気だな!)
と感じていた。
丸井のその様子は御法島バッテリーも感じ取っており、
(コイツのこの顔……。何をしてくるかわからんぞ)
(わかってる)
と警戒する。
初球。
カーブを見送って1ストライク。
(カーブから入ってきた。そしてコントロールはここに来ても乱れていない。当たれるのか?)
そう考える片瀬。
「ストライクをどんどん入れてくるのはいいが、一色は甘いとこばかりだぞ…」
「もし丸井がセーフティバントだとしたら…成功確率は高いぞ」
と話す谷口。
(試合終了間際の監督の思考じゃない)
と思う半田。
2球目。
同じくカーブを丸井が打つ。
打球はレフトへと上がる。
(終わった)
打球を見ながら一色が思う。
「レフトちょいバック!」
「もっとバック!」
が、
「ん」
そんな一色の顔色が変わる。
「ええ! そんな!」
レフト本宮が声をあげながらフェンスへとよじ登る。
打球はその向こう、ラッキーゾーンへと落ちていく……。
ここで第128話が終わります。
箕島対星稜の話をみなさんからお聴きしていた事と、12回裏8番島田から始まった事で期待はしましたが丸井やってくれました!
さすがにここから次回アウトはないと思うので素直に喜んでおきますw
でもここで同点となり、やはり18回いく感じでしょうか。
次回は、
谷口の”信じる力”が勝ったのだ!
『ニュース中の会話』の巻
一色の台詞の中で次の相手が徳島の池谷高校である事もわかりました。
池田高校がモデルでしょうか。
・第124話「イヤホンの巻」
・第125話「準々決勝の合理的試合展開の巻」
・第126話「下町の偶然の巻」
・第127話「極限の挟殺プレーの中での巻」
・第128話「青い炎の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
・キャプテン2(17)
・キャプテン(1)
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