第45話「何かが違う底力の巻」の感想です。
ネタバレ含むのでご注意!
川北戦。
1回表。
墨谷の先発はイガラシ。
キャッチャーは井口。
打席に入った1番神広を見た井口は、
(このでかさ…近くで見ると迫力ある)
と感じる。
初球ストレートは打者が見送ってストライク。
それを見守るベンチの谷口はあらためて川北との体格の差について考えていた。
川北の平均身長178cmに対して墨谷はマイナス10。
川北の平均体重75kgに対して墨谷はやはりマイナス10。
つまり65kgだが春の頃はこれが62kgだったらしい。
だが、メシをかっ込んでの筋トレを続ける中で体重を増やした。
(毎日キツイ練習してるわけだからすぐに脂肪は燃焼される)
(その中で平均体重を3キロ増やすことは並大抵のことではなかった)
(これは”脂肪”と言うより…”筋肉”で体重を増やしたということ)
(イガラシはナリは小さいが……筋肉のかたまりだ!)
と。
応援席から試合を見つめるコクガクインメンバーも自分達が初めてイガラシと対戦した時は、差し込まれたボールでもレフト前に持っていけたが、試合を重ねる度に徐々に持っていけなくなったと話し、それはイガラシのボールの球質が進化したからだと考えていた。
マウンド上のイガラシは川北レギュラー達とコクガクインのお兄さん達の体格は同じくらいだとし、
(大きな選手とはやり慣れている)
と考える。
一方、川北ベンチの田淵監督は
(イガラシは器用なプレーヤーだ。大柄なウチの選手を翻弄しようとしてくるハズ)
だと考えていた。
2球目。
初球と同じくストレートだが神広が打ちに出る。
(レフト前だ!)
神広はそう思ったが打球はバックネットへのファール。
前に飛んでいくと思っていた神広は動揺した様子。
「神広! もうちょっと早く振り出してもいいよ!」
川北ベンチから声が飛ぶと、神広はタイムをとってスイング。
(うん。手元で食い込んできたが…)
(こんなカンジでバットを出せば……)
タイミングを確かめる。
しばらくはストレートで押してみる事に決めた墨谷バッテリーは3球目もストレート。
(今度こそレフト前だ!)
これも確信を持って打ちにいった神広だが結果はショートフライ。
打席には2番井荻。
(2番は小技ができる小柄な人…そんな先入観は全く関係ナシ)
そう考えるイガラシに井口は低めストレートを要求。
初球は見送ってストライク。
(低めが伸びてくるね~。こんな小さな人が投げるボールとは思えん)
打席の井荻が感じる。
そして川北ベンチの田淵監督は
(ウチの2番は”小技を得意とする2番じゃねぇ)
(大きいのを打つ2番なんだよ)
と余裕の表情。
2球目。
高めストレートを井荻は打った瞬間
(レフトオーバーだ!)
と手応え抜群だったはずが結果はレフト……にも届かないショートフライとなって2アウト。
(翻弄してくるどころかまっすぐくるだけ!!)
(う~む。あの小さな投手がウチに対して力で押してきている?)
田淵監督の表情に戸惑いの色が見え始めた。
だが、コクガクインメンバーたちにはわかっていた。
「これ…バッター手元でそーとー押し込まれてるよ」
と。
打席には3番丹羽。
「さあここからはクリーンアップ! ウチの誇るホームランバッターが並ぶ!」
自信ありげな田淵監督。
「勝負のし甲斐のある投手だな。まかしとけ」
こちらも自信満々な丹羽。
(3番ともなるとひときわでかいな)
神広や井荻以上のでかさを感じるイガラシ。
そんな先の2人を見て押されていることがわかっている丹羽。
井口は初球内角を要求するが
(んや。おれも近藤みてぇに高めバンバン行ってみるよ)
とイガラシが首を振った。
初球高めストレート。
(ホームランボール!)
(行け!)
(レフトスタンド!)
丹羽の打球が高々とレフト方向へ飛んで行く。
川北ベンチも打った丹羽もホームランを確信。
打球を追いかけるレフト半田がフェンスにつく。
ところが田淵監督の視線の先にはさっさとマウンドを降りて行くイガラシの姿。
(何? イガラシがマウンドを降りていくぞ!)
と驚いていると、フェンスについていた半田が前進してくる。
そして落ちてきた打球をキャッチ。
(ウチが誇るホームランバッターがとんでもなく差し込まれた…?)
これにはさすがの田淵監督も驚いた様子を隠せない。
ここで第45話が終了となります。
自信満々な様子だった田淵監督の顔色が少しずつ変わってきました。
小柄な体格とこれまでのデータで抱いていたイガラシの印象と大きく違った感じでしょうか。
近藤や井口ならともかく、イガラシに力で押されるとは思いもしなかったのかもしれませんね。
次回は墨谷の攻撃。
こっちでも田淵監督を驚かせてくれそうです。
コメントでもおっしゃってた方がいましたが、こうなってくると川北にもあっさり勝つ流れが見えてきたかな?
・第41話「ナチュラルシュートの巻」
・第42話「去年と同じシチュエーションの巻」
・第43話「口の悪いやつらの巻」
・第44話「男同士のデートの巻」
・第45話「何かが違う底力の巻」
・「キャプテン2/プレイボール2」感想ページ
・「キャプテン」連載開始50周年記念特集ページ
川北と比べて身長マイナス10cm、体重マイナス10㎏と言ってもイガラシ、丸井、半田を除けば差は無いのでは。絵によって身長が伸びたり縮んだりのイガラシはさておき、丸井は墨二OBとして登場していた頃より縮んでいる気がしますし、半田についてはもう・・・・。谷原、川北に無双したら、もう敵う相手はいないのでは、東実についても村瀬、小野田は佐野より上だった訳ですし、明善戦も今更という感じです。次は一気に決勝で、マシンと対外試合で驚異的に成長したお花茶屋が相手でも良いのではないでしょうか。作者が甲子園を描く気があるのか疑問ですが、相変わらずの対戦相手ではなく、全国レベルの強豪相手の試合を見てみたいですね。
甲子園を描くかどうかはどうなんでしょうねぇ。
ここから決勝まで一戦ずつ描いていくとまだまだ時間かかりそう。
私も甲子園での戦い見てみたいとは思うのですが……。
お久しぶりです。アニメも好きでしたね( =^ω^)
キャプテンはピッチングフォームもリアルに描かれていて良かったです。井口は江夏でしたね。谷口やイガラシ、近藤もわかりませんが独特で好きでしたね。松下は特に個性的なフォームで参考にした投手がいたのか気になりました。
青葉は川江が顔も仕草も江川そのものでしたし、野村そっくりの村野もとても中学生に見えませんでした(^-^;こうしてみると、結構原作を無視してましたね。
Ryu-さん、お久しぶりです!
そうそう、アニメ版の一部の選手たちはリアルの野球選手のフォームや顔そっくりに描かれていましたね~。
松下と近藤のピッチングフォームは子供の頃によく真似してました(笑)。
松下の真似がなかなかうまくできなくて……。
まだ半田がレフトフライを捕球する前からマウンドを降りてゆくイガラシ。
実は遠い昔、阪神時代の江夏豊投手が同じ事をやっています。
まだプレイが完了してアウトが確定した訳でもないのですが、江夏さんからしたら「打ち取ったからもういいんだ」という自負が、そうさせたらしいんです。
対してイガラシのほうは、一つは相手の打球が失速するのを予測出来たというのと、もう一つは、副キャプテンでもある半田に対する絶対的な信頼からだと思います。
もし半田がポロリとやったらなんて考えもしない。
凄いですよね。
最後に、匿名さんのコメントの中に「西田」という名前がありましたが、西田は唯一のテレビアニメのオリジナルキャラで、ちばあきお先生の漫画版には登場しませんでした。
コージィ城倉先生が、この「キャプテン2」に登場させてくれるかどうかですね。
江夏投手の現役時代を私はほとんど知らない世代ですが、アウト宣告前にマウンドを降りるって本当にやったんですね!
子供の頃に見ていたら真似しただろうな(笑)。
確かにイガラシの場合は半田への信頼もありますよねぇ。
昔の半田だったらみんなが心配しただろうに、そこまで信頼を得られるまでになったんだなとちょっと嬉しかったり……。
西田はアニメオリジナルキャラらしいですね~。
私は最初アニメからキャプテン入って、アニメ版では結構目立っていたキャラだったので、あとで知って驚きました。
キャプテン2ではちばあきお先生の作品からゲスト出演多いようですけど西田はどうでしょうね~。
お気づきありがとうございます。当時漫画とアニメ両方見ていたところ、西田が印象に残り、原作にはいませんでしたがあえて名前を挙げさせてもらいました。やっぱり墨谷2中の誰かは出てきて欲しいですね。彼らもあれだけ頑張っていた以上高校でも通用すると思います。ただもし明善にいるとなると、去年甲子園に行ったことになるんですよね。だとすると三山あたりにいるんでしょうか。
谷原に続いて川北にも快勝の予感。 大学生との実戦練習の特別メニューの効果大ですね。 聖陵、明善、東実、ついでにお花茶屋も倒して、墨高甲子園初出場。 田所さんも応援団長もコクガクイン大学生も予備校の女子達も、勿論、谷口両親も近藤父も、倉橋も甲子園のアルプススタンドで大声援。いつもは居ない部長も甲子園では責任教諭として渋々ベンチ入り、全国一の強豪相手に大熱戦、大団円で完。 でおあとがよろしいようで…
ここまではメシによる特訓とコクガクインとの練習試合の成果が出ている感じですよね~。
このまま川北にもあっさり勝つのかなぁという雰囲気ですけど、田淵監督が切り替えてくるかどうか……ってとこでしょうか。
今回の決勝はやはり東実かなと思うけど、その前に明善ともぜひ決着付けて欲しいなと思ってしまいます(笑)。
そういえば谷口3年時はかつてのちばあきおの作品から登場したキャラがたくさん出ましたが、墨谷2中時代の丸井の同級生はどうしてるんですかね。高木、遠藤、河野、西田が詳細不明の明善や去年戦ってない三山や専修館あたりで主力として立ちはだかったら最高に盛り上がりますね。
そういえばかつてのチームメイトが敵チームで登場したのって松下くらいでしょうか?
高木も何かと印象に残ってるキャラなので出て来てほしいなぁ。
明善にいたら面白いですよね。
あそこはほんとチームが見えてこないだけに墨二の誰かがいても不思議じゃないし……。
これまでの身体を作る練習でイガラシの中学時代からの弱点の球の軽さが克服された印象ですね。
イガラシがこれだけ球の重さを強調したのだから、松川や井口や近藤の球も重くなっていることが推察出来ますね。
こりゃ川北高校も噛ませ枠になりそうですね。となるとこの後に当たる東実高校の佐野は江川卓の作新高校時代のようにこの予選はパーフェクトやノーヒットでいく圧倒的なピッチャーで出てくるのでは?
だから東実高校が決勝戦になりそうですね。
球が軽かったイガラシでここまで成果が出ているとなると、確かに松川や井口、近藤の球質がどれほど変化したのか気になります。
倉橋の情報でパワーで来るとわかっている川北相手に、谷口は今のイガラシなら力で押せるとわかっていたってことですよねぇ。
佐野は去年一昨年とけっして打ち崩せた感じでもないし、そんな彼がさらに力をつけたら……と考えるだけでやばいですね(笑)
やっぱり決勝はどう考えても東実かなぁ。
それこそ、東実高校戦は延長18回までお互いに0点進み、翌日再試合でやっと9回に連投でヘロヘロになった佐野を攻略するって展開かもですね。
ライバルとして印象が強い佐野と東実ですから、後に伝説の一戦と呼ばれるような展開を期待したいですね~。
かつて、イガラシの球は軽いと言われていたので、今回は明確にイガラシの成長を描いていると思います。
(2番は小技ができる小柄な人…そんな先入観は全く関係ナシ)
ドカベンの殿馬でしょうね(笑)
そっか。殿馬だ(笑)
ちょくちょくこういうネタ入ってくるのもわかる人には面白そうですね~。
イガラシは自分でも球の軽さわかっていた分、今回の肉体改造特訓にはより力を入れて取り組んでいそう……。
今回のイガラシの描写を見てると、昔極真空手の世界大会での無差別級で、軽量ながら体重差を物ともせずに重量級と渡り合ってた往年の緑健児選手を思い出しました。
ドカベンでも里中も小さな巨人と称されてたし、スポーツ漫画で小柄なキャラが大柄なキャラに挑んで勝つってのは定番だけど盛り上がるんでしょうね。
緑健児選手の事は初めて知りましたがこの方も小さな巨人と賞賛されたんですね~。
ドカベン里中も小さな巨人と言われていたし、確かに小柄な主人公たちが大きな敵に立ち向かうというのは盛り上がるのかも?
『柔よく剛を制す』ではなく『力と力の勝負』ですか。
自分たちが力負けするとは、全く予想していなかった川北。しかしこのままで終わるとも思えません。
どんな手を打ってくるのか、それが見ものです。
長打を狙うのを止めて、ミート打法に徹するのか……。
力負けしているとわかって切り替えてくる感じでしょうか。
私はこのままあっさりいくかなと思いましたが、そこは川北だから簡単にはいかないかなぁ。
次回は川北投手にも注目しています!
そう言えば川北の打者、『手がしびれた』という描写はありませんよね。
ということは、打ち損ねたわけではなく、ちゃんと芯で捉えてはいる。しかも皆『手応えあった』と感じている。
つまり凡打に終わったのは、純粋に『球威に押された』結果。
墨谷の、コクガクイン大生との練習試合で、井口が最初の打席でライトフライに打ちとられた時と、まったく同じこと。
田淵監督、はたしてどんな手を打ってくるのか。
長打を諦めて単打狙いに徹するか。力負けしないために、重いバットを短く持って振り切るか。あくまで長打を狙うなら、スイングのスピードを上げるため、むしろより大振りをするか。
あ~、言われてみると手が痺れたとは誰も言ってませんでしたね~。
皆、打った瞬間に確かな手応えを感じていましたから、芯でとらえてのあの打球なんですよねぇ。
力押しが通用しないとわかってからは田淵監督の采配の見せどころですね。
田淵監督も谷口率いる墨谷との一戦には色々思うところもあるでしょうし、強豪川北の底力見せてもらいたいです。